Safari 16がリリース、パスワードレスを実現する「Passkeys」に対応。Web Push、サブグリッド、AVIF画像形式など新機能
Appleはパスワードレスを実現する「Passkeys」などの新機能を搭載したWebブラウザ「Safari 16」のリリースを発表しました。iOS 16、macOS MontereyとmacOS Big Surに対応します。また10月に登場予定のiPadOS 16、macOS Venturaにも対応予定です。
Passkeysでパスワードレスを実現
新機能Passkeysは、今年(2022年)6月に行われたイベント「WWDC 2022」でも紹介されていた機能で、パスワードレス機能の業界標準であるFIDO Alliance(ファイドアライアンス)の策定する仕様「FIDO/WebAuthn」に沿って実装されています。
iPhoneやiPad、MacBookなどのデバイスで指紋認証(Touch ID)や顔認証(Face ID)を行うことで本人確認が行われれば、そのデバイスを所持している者が本人であることを認め、デバイス内に生成された公開鍵暗号方式の「FIDO認証資格情報(FIDOクレデンシャル)」(これが「Passkey」と呼ばれる)による情報をサーバとやりとりすることで、ユーザーがいちいちパスワードを入力することなく、またサーバにパスワードが送られることなく安全にログインできるようになります。
さらにこのPasskeyはApple IDに紐付いたiCloud Keychainによってデバイス間で共有されるため、iPhoneで設定した自分のPasskeyはiPadでもMacbookでもSafariで利用でき、パスワードレスでログインできるようになります。
PasskeysはGoogleやマイクロソフトなど他のベンダのサービスやソフトウェアとの相互運用性も確保されることをAppleは約束しており、その際にはiPhoneやiPadなどが認証機器として利用可能になる予定です。
Web Pushでプッシュ通知
Safar 16に新機能として搭載されたWeb Pushは、下記のようにWebサイトがユーザーに対してプッシュ通知を可能にします。これはユーザーがWebサイト上でプッシュ通知を設定した場合にのみ通知されます。
Web PushはまずmacOS版のSafari 16に実装され、iOS版とiPad版のSafariでは来年に実装予定です。
サブグリッド、コンテナクエリ、AVIF画像形式など
そのほかCSSのGridのなかにさらにGridを設定できるサブグリッド(subgrid)への対応、ビューポートのサイズではなく、コンテナのサイズに基づいてWebページ上の特定のアイテムのレイアウトやスタイルを調整できるコンテナクエリ(Container Queries)、WebPよりもファイル容量をおさえられる次世代の画像形式と言われるAVIF形式への対応など、さまざまな新機能がSafari 16で利用可能になりました。
あわせて読みたい
JavaScriptのメモリリークを検出するフレームワーク「MemLab」、メタがオープンソースで公開
≪前の記事
Ruby 3.2プレビュー2がリリース。WebAssembly版Ruby、ARM64版YJITなど対応