Ruby 3.2プレビュー2がリリース。WebAssembly版Ruby、ARM64版YJITなど対応
次期Rubyのプレビューリリース「Ruby 3.2 Preview 2」が公開されました。
Ruby 3.2ではWebAssembly版Rubyの登場が予定されており、これまでリリースされてきたLinux版やWindows版、Mac版などのRubyに加えて、WebブラウザなどWebAssemblyの実行環境でRubyランタイムを実行し、そこでRubyのプログラムを実行可能になることが期待されています。
参考:RubyのWebAssembly/WASIへの移植が実現、プレリリース版のバイナリ公開。RubyGemsにも対応
WebAssembly版のRubyでは、ファイルI/OなどOSごとに異なるAPIを抽象化する業界標準仕様であるWASI(WebAssembly System Interface)に対応しているため、WebブラウザだけでなくWasmtimeやWasmerといったスタンドアロンのWASI対応WebAssemblyランタイム、Node.jsやDenoなど(WASIヘノ実験的対応を含む)など、さまざまな環境で実行可能です。
また、仮想ファイルシステム(VFS)機能も搭載しており、Webブラウザのような基本的にはファイル操作ができない環境でもファイルシステムからの読み込みなどの操作を可能にしています。
Ruby 3.2ではそれ以外にも、昨年メインラインにマージされた新しいJust-in-CompilerであるYJITがARM64に対応したことで、ARM64のプロセッサを搭載した環境での速度向上も実現される予定です。
Rubyは毎年クリスマスのタイミングでメジャーバージョンアップがリリースされてきました。Ruby 3.2も今年のクリスマスに正式リリースが発表されるでしょう。
あわせて読みたい
Safari 16がリリース、パスワードレスを実現する「Passkeys」に対応。Web Push、サブグリッド、AVIF画像形式など新機能
≪前の記事
「PyTorch Foundation」が設立。Meta、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure、AMD、NVIDIAらが理事に