マイクロソフト、開発環境をクラウドPCとしてデスクトップ仮想化経由で利用できる「Dev Box」のパブリックプレビューを開始
マイクロソフトは、開発環境をクラウドPCとして丸ごと仮想環境で用意し、デスクトップ仮想化経由で利用できる「Dev Box」のパブリックプレビュー開始を発表しました。
Dev Boxは今年の5月に行われた開発者向けイベント「Microsoft Build 2022」で発表され、プライベートプレビューとなっていました。
参考:[速報]マイクロソフト、開発環境をまるごとクラウドPCとして用意できる「Dev Box」を発表。Microsoft Build 2022
最近ではアプリケーションの開発環境は、コードエディタおよび文法チェックやフォーマッタなどの拡張機能、ソースコード管理ツールとの連携、ビルドツールや自動テスト環境などをはじめとするさまざまなツールによって構成されています。
そしてこれらのツールチェーンを適切に稼働するように設定するだけでもある程度の専門的な知識が必要で、手間のかかる作業になっています。
Dev Boxはこうした開発環境やツールチェーンを、あらかじめ整備された仮想マシンとして用意することで、開発者はすぐに適切な開発環境を立ち上げて開発にフォーカスすることを実現するものです。
仮想マシンはMicrosoft Azure上で、開発プロジェクトごとに適切なCPUやメモリ、ストレージなどの構成や各種ツールをカスタマイズできるようになっています。
Dev Boxの仮想マシンはWindows 365上で構築されるクラウドPCと同じ仕組みを用いてデスクトップ仮想化の仮想マシンが用意されるため、ユーザーとなる開発者はデスクトップ仮想化のクライアントツールやWebブラウザ経由でリモートデスクトップとして利用できます。
複数のプロジェクトに関わる開発者であれば、プロジェクトごとに適切な開発環境を使い分けることも容易になりますし、必要に応じて過去の開発環境をそのまま保存しておく、といったことも簡単かつ低コストでできるようになります。
また、将来的にWindows 365 Offlineが実現されてクラウドPCがオフラインでもPC上で使えるようになれば、オフライン環境で開発することも可能になるでしょう。
参考:[速報]マイクロソフト、「Windows 365 Boot」発表。起動するとクラウドPCが即利用可能、「Windows 365 Offline」によりオフラインでも利用可能に
Dev BoxはパブリックプレビューとしてAzureポータルから設定可能になっています。パブリックプレビューの期間中は8vCPUおよび32GBメモリの最初の15時間と、ストレージSSD 512GBの最初の365時間が毎月無償で提供されます。それ以上使用する場合は、1時間単位の従量課金となります。
あわせて読みたい
Denoが大幅な方針変更を発表。3カ月以内にnpmパッケージへの対応を実現、最速のJavaScriptランタイムを目指しHTTPサーバを刷新
≪前の記事
Ubuntuが.NET 6/ASP.NETをネイティブサポートすると発表。最適化されたコンテナイメージをCanonicalが配布開始