[速報]Oracle Database 23cベータ版登場。JSONオブジェクトビュー、マイクロサービス対応のトランザクション機能など。Oracle CloudWorld 2022
オラクルは米ラスベガスで開催中のイベント「Oracle CloudWorld 2022」において、開発中の「Oracle Database 23c」(以下、23c)ベータ版のリリースを発表しました。
オラクルのエグゼクティブバイスプレジデント Andy Mendelsohn氏は、23cには21cのすべての機能に300以上の新機能が追加されると説明。
Mendelsohn氏は23cの注目機能を3つ紹介しました。
1つ目は、リレーショナルデータベースのスキーマを基にJSONオブジェクトビューを構成できる「JSON Relational Duality」です。これにより23cではリレーショナルデータベースがJSONを用いたドキュメントデータベースとしても振る舞うようになります。
「開発者はMongo APIを使ってもいいし、SQL JSONを使ってもいいし、その両方を使ってアプリケーションを作ってもいいんです。この機能でSQLとJSONの間のインピーダンスの不一致を解決しようとしている、これを実現しているデータベースは、私たちが知っている限りでは、私たちが初めてです」(Mendelsohn氏)
2つ目は「Operational Property Graph」。Property Graph機能はOracle Databaseで空間およびグラフ分析機能を提供しますが、23cではリアルタイムでグラフ分析が可能になり、詐欺の検出やソーシャルグラフの分析などが可能になります。「これは本当にエキサイティングなことで、まず他のデータベースでは実現できません。他のデータベースではOLTPとは分かれたデータウェアハウスでの分析を行うだけなのです」(Mendelsohn氏)
3つ目は「In-Database Sagas」と呼ばれるマイクロサービス対応のトランザクション機能です。
「例えば、航空券を予約したり、車を予約したり、ホテルの部屋を借りたりした後で、顧客からキャンセル依頼があった場合、航空券、カード、ホテルと3つの異なるトランザクションを元に戻さなければならない、といったことがマイクロサービスの世界では起こりえます。
23cのSagaでは、基本的に補正トランザクション(compensating transactions)を行うため、これが簡単にできるのです」(Mendelsohn氏)
その他23cにはKafka API、JavaScriptによるストアドプロシージャなどの機能も搭載されるとのことです。
Oracle CloudWorld 2022
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