MySQL HeatWaveの性能をトヨタ自動車ら3社が他社DBと実際に比較検証。ファンコミュニケーションズは「とにかく速くなった」と評価。Oracle Cloud Days 2021[PR]
MySQLの開発元であるオラクルが、Oracle Cloud Infrastructureの上でMySQLのマネージドサービス「MySQL Database Service」と、その追加機能として高速な大規模データ分析機能を提供する「HeatWave」を提供しはじめてから約1年が経過しました。
同社は、これらのサービスが圧倒的なコストパフォーマンスと性能を実現するとしてきましたが、実際にその性能や機能を検証したうえで採用を行う企業も増えてきました。
2021年11月9日から4日間、オンラインで行われたイベント「Oracle Cloud Days 2021」では、トヨタ自動車、りらく、ファンコミュニケーションズの3社がそれぞれ、MySQL Database ServiceとHeatWaveの性能を検証した結果を紹介したセッションを行っています。りらくとファンコミュニケーションズについは採用した理由についても詳しく解説しています。
ここではそのセッションから、各社がMySQL Database ServicesとHeatWaveを比較検討した内容を中心に紹介しましょう。
トヨタ自動車:機械学習の前処理にHeatWaveを検討
トヨタ自動車は、ネットに接続された自動車、いわゆるコネクティッドカーの車両や車両外から得られるさまざまなデータを蓄積、分析することで、自動車の設計や開発、メンテナンス、モビリティサービスを始めとするさまざまなサービスへと活用することを想定しています。
その中で同社は、車両ビッグデータを基にした新規AIアルゴリズム開発にも取り組んでいます。
新規AIアルゴリズムの開発時には、仮説構築、データ収集、アルゴリズム検討、試作、評価といったループをアジャイルに回すことが求められていますが、このとき機械学習のためのデータには毎回前処理が必要となります。
具体的には、地図をメッシュ状に区切り、メッシュ単位での交通量や車速、ABSの作動頻度といった統計情報の抽出がそれにあたります。
前処理が迅速にできなければ、新規AIアルゴリズム開発のループをアジャイルに回すことができません。
そこで同社が採用を検討したのが、分散インメモリデータベースによって大規模データを高速に処理できるHeatWaveです。
競合との比較検証でHeatWaveが良好な結果
同社はHeatWaveと他社のクラウドなどで提供されているデータウェアハウスサービス、大規模データ検索サービス、ETLサービスやインメモリデータベースのRedisなどと比較検証しています。
比較内容はOLAPベンチマークを想定したTPC-Hによる性能評価、ダイナミックマップを想定した範囲検索性能やキー検索性能評価、機械学習用データの抽出を想定した大量データの入出力性能評価、特徴量抽出を想定した集約処理(Group By)の性能評価、パターン発見を想定した結合処理(JOIN)性能評価など。
結果をかいつまんでみると、OLAPベンチマークでは多くのクエリで比較対象よりHeatWaveが2倍から30倍高速で、コストも考慮すると6倍以上コスト効率がよいとの評価。
ダイナミックマップでもRedisが苦手とするキースキャンにおいてはHeatWaveが数千倍も高速。特徴量抽出やパターン発見でもHeatWaveが比較対象よりも2倍から最大60倍高速と評価され、結論として大規模データI/Oに課題はあるものの、おおむね良好な結果を得たと、前向きな評価を下しています。
りらく:トランザクションもバッチも性能向上
株式会社りらくは、もみほぐしなどのリラクゼーションサービスを提供する「りらくる」を全国に615店舗(2021年8月末現在)展開する企業です。
同社はこの3年で急速に業務プロセスのDX化を進めた副作用として、マルチベンダで複雑化したシステムによるシステム障害が多発し、複雑化のせいで機能追加の影響分析に時間がかかるようになり開発スピードが落ち、類似のデータがシステムのあちこちに分散するために経営分析に資する正確なデータの抽出の難易度が高まる、などの課題に悩まされていました。
こうした複雑なシステムがもたらす課題を解決するために、同社はインフラとしてOracle Cloud Infrastructureを採用。それまでそれぞれ独自のデータベースを持っていたセラピスト系サブシステム、店舗系サブシステム、顧客系のシステムに対して、MySQL Database Serviceによる統合データベースへの移行作業をしています。
同社が大手クラウドベンダの中からOracle Cloud Infrastructureを選択した理由として、Compute、Storage、Networkの圧倒的なコストパフォーマンスの高さを指摘。
試算では、移行が進むにつれて移行部分は最大で50%のコストダウンが想定されています。
同社は統合データベースにMySQL Database Serviceを選択した大きな理由として、MySQLの開発元であるオラクルからサポートが受けられることを挙げたうえで、高パフォーマンス、最新バージョンが利用可能といった項目も選択理由となったとし、実際にトランザクション性能もバッチ処理性能も向上したと説明。
今後はAmazon RedshiftからHeatWaveへの移行を進めることでさらなるコストダウンと、ETLツール不要でシンプルなシステム構成のまま最新データの分析を実現することも計画しているとしました。
ファンコミュニケーションズ:とにかく速くなった
株式会社ファンコミュニケーションズは、成果報酬型広告、いわゆるアフィリエイト広告のサービスプロバイダです。
同社のサービス「A8.net」では、約2万2000の広告主の広告が約300万のWebサイトで表示され、1日あたり約2億ものアクセスがあります。
そしてこのアフィリエイト広告における新たな分析基盤に、同社はHeatWaveを選択しました。
新たな分析基盤に対してあらかじめ設定された性能に関する要件は非常に厳しいものでしたが、それまでのAmazon AuroraのMySQLからHeatWaveへ移行した結果、そのままの状態で「とにかく速くなった」と評価。
これまで60秒以上かかっていたクエリや、実行できないほどのクエリであっても、10秒以内から数秒で返ってくるようになったとのことです。
HeatWaveへの移行結果として、MySQLの利用感そのままでとにかく速くなり、さらにコストパフォーマンスも圧倒的。しかも開発元のオラクルが提供しているという安心感も同社は高く評価していました。
(本記事は日本オラクル提供のタイアップ記事です)
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