[速報]Google、Amazon Auroraに対抗する高性能DB「AlloyDB for PostgreSQL」発表。通常のPostgreSQLよりOLTPが4倍高速、OLAPが100倍高速と
Google Cloudは開催中のイベント「Google I/O 2022」で、PostgreSQLフル互換の高性能な新データベースサービス「AlloyDB for PostgreSQL」のプレビューリリースを発表しました。
Google Cloudは以前からPostgreSQLのマネージドサービス「Cloud SQL for PostgreSQL」を提供しています。今回発表された「AlloyDB for PostgreSQL」は、Googleのクラウドインフラや機械学習の技術を積極的に投入し、より高性能かつミッションクリティカル向けのデータベースサービスとして構築したものです。
AWSと比較するならば、一般用途向けのデータベースサービスである「Amazon RDS」に対抗するのがGoogle Cloudの「Cloud SQL」であり、データベースをクラウドネイティブなアーキテクチャとして再構築することで高性能かつ高可用を実現した「Amazon Aurora」に対抗するのが、今回発表された「AlloyDB」だと言えるでしょう。
Google Cloud CEOのThomas Kurian氏も、AlloyDB for PostgreSQLは「PostgreSQL+クラウドネイティブアーキテクチャ+インテリジェントキャッシング+AIと機械学習」であると説明しています。
Kurian氏はまた、AlloyDB for PostgreSQLの特徴として、スタンダードなPostgreSQLと比較してトランザクション処理で最大4倍、アナリティカルなクエリで最大100倍高速であること、99.99%の高可用性を実現していること、AI/機械学習によって運用管理が最適化されていることなどを挙げています。
スケールアウト可能なコンピュートとストレージ上にPostgreSQLを構築
AlloyDB for PostgreSQLを解説するGoogleの2つのブログ「Introducing AlloyDB for PostgreSQL: Free yourself from expensive, legacy databases」と「AlloyDB for PostgreSQL under the hood: Intelligent, database-aware storage」によると、AlloyDB for PostgreSQLはGoogleのインフラとして他のサービスでも利用されているスケールアウト可能なコンピュートとストレージ基盤の上に構築されており、コンピュートとストレージはそれぞれ独立してスケールアウト/スケールインする構造になっているとのこと。
さらにスケールイン/スケールアウトはデータベースが稼働したまま動的に可能で、リードレプリカインスタンスの作成も高速に実行可能。アナリティカルな処理にはカラム型のデータベースエンジンによって高速化を実現。
可用性についてはメンテナンスも含んで99.99%を実現。データベースのインスタンスやデータ容量に関わらず、ほとんどの障害を発見して復旧するのに1秒かからないとしています。
パッチの適用やバックアップ、スケール操作やレプリケーションの判断は機械学習によって支援され、自動化されているとのことです。
Google Cloudは、競合するAWSやMicrosoft Azureと比較してミッションクリティカルに対応する企業向けのデータベースサービスが弱いことが以前から指摘されていました。Google CloudのCEOであるThomas Kurian氏はOracle出身であるため、そのことを痛感していたはずです。
AlloyDB for PostgreSQLはその弱点を埋める重要なピースとなります。Google Cloudはこれをもってエンタープライズ市場へより積極的に展開してくると見られます。
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