グローバルのクラウドインフラ市場シェア、Google Cloudが拡大傾向、AWSとAzureの1位2位は盤石。2022年第3四半期、Synergy ResearchとCanalysの調査結果
調査会社のSynergy Research GroupとCanalysは、2022年第3四半期時点のグローバルにおけるクラウドインフラのシェアをそれぞれ発表しました(Synergy Research Group、Canalys)。
クラウドの最大市場である米国では、利上げやエネルギー資源の高騰などによる景気後退懸念が高まっています。それらがクラウド市場の成長にどれだけ影響するかに注目が集まっていました。
この四半期の成長率について、Synergy Research GroupとCanalysではやや見方が異なっています。
Senergy Research Groupは、名目的な成長率は低かったものの実質的には高い成長率を維持したとの評価でした。「歴史的なドル高と中国市場の厳しい制限という2つの厳しい逆風にもかかわらず、クラウドインフラ市場は昨年度の第3四半期から110億ドル以上増加したことになります。この支出増は、前年同期比24%の成長率に相当します。もし為替レートが昨年と同じであったなら、成長率は30%を超えていたことでしょう」(Synergy Research Group)
一方でCanalysは名目上の成長率が30%を割ったことを重視し、やや悲観的なコメントです。「インフレやエネルギー価格上昇の悪影響を受け、企業は市場の不確実性に対応し支出を減らしており、短期的にはクラウドサービスの需要に打撃を与える可能性がある。ドル高も相まって、年間成長率は初めて30%を割り込んだ」(Canalys)
それぞれの調査結果を見てみましょう。
Google Cloudのシェアが上昇している点で2社の結果は一致
下記がSynergy Research Groupの2022年第3四半期調査結果です。
下記の半年前のグラフと比べてみると、AWSは1%シェアを伸ばし、マイクロソフトは1%シェアを減らし、Googleは1%シェアを増やす、という結果になりました。
続いてCanalysの2022年第3四半期調査結果を見てみましょう。
これも下記の半年前のグラフと比べてみましょう。すると、AWSのシェアは1%減、Microsoft Azureのシェアは1%増加、Google Cloudのシェアは1%増加しています。
このように2社の調査結果を並べてみると、この6カ月においてAWSとMicrosoft Azureのシェアについては上昇したという見方と下降したという見方が分かれていますが、Google Cloudについては2社ともわずかに上昇している点で一致しています。
おそらくGoogle Cloudのシェアは実際に多少なりとも増加していると見ていいのではないでしょうか。
(2022/11/2/13:05 お詫びと訂正:当初最後のCanalysのグラフが2021年Q1のグラフになっていました。現在は正しいものと差し替えてあります。文章の主旨は変わっていません。お詫びして訂正いたします)
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