最新のGoogle Chrome 108で「Passkey」が利用可能に。Googleアカウントでクレデンシャル同期など
12月2日から配布が開始されている最新のGoogle Chrome 108では、パスワードレスを実現する機能の「Passkey」がWindows 11、macOS、Android版で利用可能になっていることをGoogleが明らかにしました。
下記はブログ「Introducing passkeys in Chrome」で紹介されているAndroid版ChromeでのPasskey利用時の画像のキャプチャです。
Chromeは以前から業界標準のパスワードレス技術であるWebAuthn/FIDOに対応しており、パスワードを使わずデバイス側での指紋認証やPINコードなどによる認証によりWebサイトへログインできる機能を備えていました。
参考:Chrome 70から、WebAuthnでMacのTouchIDとAndroidの指紋認証がデフォルトで利用可能に。Webサイトへのログインもタッチで
ただしこのFIDO/WebAuthnにはFIDOクレデンシャルのバックアップやデバイス間での同期の仕組みなどがなかったため、iPhoneやAndroidのデバイスを紛失して新しくデバイスを入手もしくは機種変更をした場合には、まっさらな状態から改めてFIDOクレデンシャルを取り直す必要があるなど、十分な使い勝手とはいえませんでした。
そこで2022年4月にFIDOアライアンスは、FIDO/WebAuthnをさらに普及させるべく「Level3」と呼ぶ追加仕様を提案する文書を公開し、FIDOクレデンシャルのバックアップやデバイス間での同期を行う機能、そしてAndroidやiPhoneなどのデバイスが手元にあればデスクトップPCやMacからもパスワードレスでログインできるようにするローミング認証器機能などを組み込みました。
そしてApple、Google、マイクロソフトがこれをPasskeyという名称で実装することを表明していました。
参考:パスワードレスを実現するFIDO/WebAuthのさらなる普及へ、新提案を公開。デバイス間でのクレデンシャル同期、Bluetooth経由でのローミング認証器など
今回、Chrome 108がPasskeyを実装したことで、GoogleアカウントによるGoogleパスワードマネージャを用いたデバイス間でのクレデンシャルの同期や、Androidデバイスを認証機器として用いてデスクトップPCのChromeからログインする(下図はブログ「Introducing passkeys in Chrome」でのデモのキャプチャ)、といったことが可能になります。
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