マイクロソフト、Blazorでデスクトップアプリやモバイルアプリを開発できる「Blazor Hybrid」は.NET MAUIベースになると説明
マイクロソフトは2月9日にオンラインでコミュニティイベント「ASP.NET Community Standup - Blazor .NET 7 Roadmap」を開催。Blazorの開発状況や今後の展開などについて説明しました。
https://t.co/eFOzgs22K8 Community Standup - Blazor .NET 7 Roadmap https://t.co/Veq88bsGrw
— The ASP.NET Team (@aspnet) February 8, 2022
Blazorは、C#などの.NETテクノロジーを用いてWebアプリケーションの開発を可能にするフレームワークとして登場しました。.NETの知識や経験をWebアプリケーションに活かせると同時に、Visual StudioなどC#に対応した豊富な開発ツールによる開発生産性の向上を期待できるといったメリットがあります。
当初はWebAssemblyの技術を用いてWebブラウザ上に.NETランタイムなどのスタックを実装することでこれを実現する「Blazor WebAssembly」のプロジェクトがスタートしましたが、その後にサーバサイドでも同じ.NETを用いてWebアプリケーションを開発できる「Blazor Server」の開発も始まりました。
そして2019年10月にBlazor Serverが正式版となり、その後2020年5月にBlazor WebAssemblyが正式版となりました。
- マイクロソフトの「Blazor」が正式版に、まずサーバサイドで。C#と.NET Core 3.0に対応したWebアプリケーションフレームワーク
- [速報」Blazor WebAssemblyが正式リリース。C#/.NETでWebアプリケーションを開発可能に。Microsoft Build 2020
Blazor Hybridが開発中
このBlazor WebAssemblyとBlazor Serverに続いて開発が進められているBlazorシリーズが「Blazor Hybrid」です。
Blazor Hybridは、Webテクノロジーを用いてデスクトップアプリケーションやモバイルアプリケーションを実現する、いわゆるハイブリッドアプリケーション形式のアプリケーションが開発できるフレームワークです。
ハイブリッドアプリケーションとしては、例えばElectronを用いたVisual Studio Codeなどがよく知られています。JavaScriptやHTML、CSSなどのWebテクノロジーを用いることで、Webアプリケーションの開発スキルを活かしつつ、まるでネイティブアプリケーションのような機能を備えたデスクトップアプリケーションやモバイルアプリケーションが開発できます。
Blazor Hybridでは、Blazorの開発スキルを活かしてデスクトップアプリケーションやモバイルアプリケーションが開発できる、というわけです。
このBlazor Hybridは、マルチプラットフォーム対応のUIキットである「.NET Muti-platform App UI」(.NET MAUI)の上に実装されることも説明されました。
.NET MAUIには「BlazorWebView」と呼ばれるWebViewが組み込まれる予定です。これによりBlazorからWebのUIコンポーネントが利用可能になります。
Blazor Hybridは現在開発が進んでいますが、登場時期は未定。まずはデスクトップアプリケーションの開発をターゲットにし、モバイルアプリケーションの開発はその後に対応すると説明されています。
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