AWS、MS、Metaらがオープンな地図データを実現する「Overture Maps Foundation」結成。2023年前半にはデータ公開へ
オープンソースを推進する非営利団体のLinux Foundationは、AWS、マイクロソフト、Meta、TomTomの4社がオープンな地図データを実現する「Overture Maps Foudation」を同団体の傘下に設立したと発表しました。
“We are excited to facilitate this open collaboration among leading technology companies to develop high quality, open map data that will enable untold innovations for the benefit of people, companies, and communities." - Jim Zemlin
— The Linux Foundation (@linuxfoundation) December 15, 2022
About Overture Maps: https://t.co/TpPey0gTSb pic.twitter.com/OoYjau9o3Q
Overture Maps Foundationのミッションは、現在と将来の地図サービス実現のために、信頼性が高く、使いやすく、相互運用可能なオープンな地図データを作成することとされています。
作成される地図データはOverture Maps Foundationの参加企業や市民団体、オープンデータなどからのデータソースを組み合わせて作成され、オープンデータライセンスの下ですべての人に公開される予定です。
地図のエラーや破損などを検出する検証作業も行い、本番環境で使える品質を確保し、異なるデータセットのエンティティであっても同じ実世界のエンティティにリンクするシステムを提供することで、複数の地図データを組み合わせたアプリケーションを開発するための相互運用性の簡素化にも取り組む予定。
さらに、地図データのための構造化されたデータスキーマを定義、文書化し、その採用を推進することで、使いやすい地図データのエコシステムを構築するとしています。またFAQによると、OpenStreetMapとは補完関係にあるとのことです。
Overture Maps Foundationからの最初のデータセットの公開は、2023年前半になる予定です。
地図データは、現在でも荷物の配送計画や店舗の出店計画、不動産情報などさまざまなシステムに活用されており、将来はメタバースや自動運転など、その活用範囲と重要性がさらに高まることが確実視されています。
GoogleやAppleを始めとするいくつかの企業は、すでに何年も前から地図データの取得と蓄積、活用に取り組み、この分野で先行しているといえるでしょう。
今回のOverture Maps Foundationの発足は、AWS、マイクロソフト、Metaらがオープンデータを柱とすることで、こうした自社で地図データを蓄積してきた先行企業に追いつくための戦略的な動きのように見えます。
(2022/12/19 10:10 スペルミスを修正し、OpenStreetMapについての記述を追加しました)
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