Amazon.comが技術職と一般職の基本給上限を2倍以上に引き上げ、年約4000万円へ。人材獲得競争の激化で、従来の約1700万から
米Amazon.comが技術職と一般職の基本給の上限を2倍以上に引き上げ、最大で年350万ドル(1ドル110円換算で3850万円)に設定したことが海外の多数のニュースメディアで報じられています。
従来の上限は年16万ドル(1ドル110円換算で1760万円)でした。
- アマゾン、基本給の上限35万ドルに引き上げ-従来の2倍余り - Bloomberg
- 米アマゾン、米従業員の初任給上限を2倍超に引き上げへ=メモ | ロイター
- Amazon Doubles Cap on Base Salaries for Corporate Employees - The New York Times
- Amazon boosts max base salary to $350k amid struggles to hire, retain talent | Fortune
- Amazon more than doubles max base pay to $350k for corporate and tech workers, citing labor market - GeekWire
この基本給上限引き上げは同社内で発表されたもの。一部の報道機関が独自にこの発表を裏付ける確認をしたと報道しています。
技術職と一般職に対するこれまでの基本給の上限が1800万円程度だったのは低すぎるように見えますが、報道によると同社はこれまで株式による報酬を重視していたため、基本給が低くても人材を採用できていたとのことです(また、基本給以外に賞与もあるでしょう)。
たしかに同社の株式は過去10年、株価はつねに前年度を上回ってきました。
しかし2021年以降は株価が低迷しています。
そうした中でBloombergによると昨年は過去最多となる50人のバイスプレジデントが退社。ロイターは、Amazon.com社内のメモとして「過去1年間は特に競争の激しい労働市場だった」とした上で「優秀な人材を引き付けて維持するため、競争力を維持する必要がある」と説明されたと報じています。
基本給と賞与の水準に注目が移る
米国では連邦中央銀行による利上げが既定路線とされており、従来の低金利政策よって上昇してきた株価は、当面のあいだ落ち着いた動きになるだろうと見られています。
するとこれまで株価上昇による高収入の恩恵を受けてきたGAFAもスタートアップ企業も、従業員の報酬に対する視線は、株式によるものから、基本給および賞与の水準が高いかどうかに移っていくでしょう。
Amazon.comの今回の発表は、そうした動向を浮き彫りにしたものといえます。
今後も特に米国を中心とするグローバル企業において優秀な従業員を獲得するための競争激化による報酬上昇は続くと見られます。彼らと戦おうとする日本の企業においても、この状況を無視することは難しくなっていくのではないでしょうか(と、期待を込めて)。
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