WebAssemblyアプリ開発で最も使われている言語はRust、注目の機能はスレッドなど。The State of WebAssembly 2021
メールマガジン「WebAssembly Weekly」を発行しているScott Logicは、WebAssemblyの利用状況などに関する調査報告として「The State of WebAssembly 2021」を公開しました。
調査は今年の6月に行われ、196カ国(米国21.8%、ドイツ9.1%、中国9.1%など)に分散した250人のITエンジニアが回答。
WebAssemblyアプリケーションのコードを記述するプログラミング言語として何が使われているかとの調査では、Rustが最も多く、C++、AssemblyScript、Blazor、Goの順に使われていることが示されました。
Rustは比較的容易にWebAssemblyが生成できることがWebAssemblyでの人気の理由でしょうか。4位のBlazorは少し意外ですが人気があるのですね。
WebAssemblyの利用目的では、Webアプリケーション開発(Web Development)が最も多く、続いてゲーム開発、サーバレス、コンテナ化(Containersation)、オーディオ/ビデオ処理、科学計算、IoT、AIの順となっています。
WebAssemblyの高速な動作はゲーム開発には適切と思われるので、2位は妥当なところ。3位にサーバレス、4位にコンテナ化が入っているのは思ったより先進的な使われ方の印象です。
WebAssemblyが将来どの分野に大きく影響すると予想するか? との問いには、トップがWeb、そしてサーバレス、ゲーム、コンテナ化と続いています。
今後、WebAssemblyもっとも注目する機能は? との問いには、スレッドがトップ、WASI(WebAssembly System Interface)、Interface Types、Modular Linkingと続いています。
スレッドによってさらに高速な処理をWebAssemblyで実装したいという要求が強そうです。WASIが実現すると、単一のソースコードでさまざまなOSなどの実行環境に対応するアプリケーション開発が可能になりますが、こうしたクロスプラットフォームへの関心も高いことがうかがえます。
その他にも多くの調査結果が示されていますので、詳しくはぜひ元記事をご参照ください。
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