VMware、無償のKubernetesディストリビューション「VMware Tanzu Community Edition」リリース。AWS、Azure、ローカルマシンなどに導入可能
VMwareは、無償のKubernetesディストリビューション「VMware Tanzu Community Edition」を公開しました。
Now available: VMware Tanzu Community Edition! Get unrestricted, no-cost access to the same open source software used in Tanzu commercial editions. @amanda_katona shares the details here: https://t.co/6SRH0yiZrK
— VMware Tanzu (@VMwareTanzu) October 4, 2021
「VMware Tanzu」はVMwareのKubernetes関連のブランドです。vSphere上でKubernetesの基本的な環境を構築する「VMware Tanzu Basic Edition」、Kubernetesを用いてマルチクラウド環境を構築する「VMware Tanzu Standard Edition」、Kubernetes環境でDevOpsを実現するためのプラットフォームを構築する「VMware Tanzu Advanced Edition」などがあります。
今回リリースされた「VMware Tanzu Community Edition」もこのVMware Tanzuブランド傘下のプロダクトとなります。無償で簡単にKubernetesと関連ソフトウェア環境をパブリッククラウドやローカルマシンに構築し、学習や評価、開発環境などに利用されることを想定したものとなります。
VMware Tanzu Community Editionに含まれるソフトウェア群は
VMware Tanzu Community Editionに含まれているソフトウェアは、以下の図に示されています(「Introducing VMware Tanzu Community Edition」から引用。記事の横幅に合わせて一部をトリミングしました)。
ローカルのDockerコンテナ環境やvSphere環境、そしてAWSとMicrosoft Azureに対応し、その上にKubernetes環境を構築します。
さらに、コンテナネットワーキング、ロードバランス、認証、ポリシー、ビルド、コンテナレジストリ、サーバレス、そして監視などのさまざまなソフトウェアコンポーネントも含まれています。すべてオープンソースによって構成されており、VMwareによるKubernetesディストリビューションと言えます。
すでに専用のWebサイトと詳細なドキュメントも用意されており、ダウンロードして試すことができます。
VMwareはなぜ無償のVMware Tanzu Community Editionをリリースしたのか
Kubernetesは企業向けの新たなソフトウェアプラットフォームになると見られており、AWS、マイクロソフト、Google、Red Hat、SUSE、Mirantisなどの大手クラウドベンダやソフトウェアベンダがそれぞれのKubernetesプラットフォームを事実上の業界標準とすべく、勢力拡大を図ろうとしています。
そのなかでソフトウェアベンダとしてはOpenShiftを提供するRed Hatが頭一つ抜きん出ていると見られており、VMwareのVMware Tanzuはそれを追いかける立場と言えます。
今回VMwareが無償のVMware Tanzu Community Editionをオープンソースのディストリビューションとしてリリースした背景には、オープンソースとして幅広く公開され利用可能なOpenShiftに対抗する意図が含まれるのではないかと推察されます。
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