Ubuntu 21.04正式リリース。Active Directoryとネイティブ統合、最適化されたSQL Server対応、Flutter用SDK搭載、Waylandがデフォルトに、など

2021年4月26日

Canonicalは、主要なLinuxディストリビューションの1つであるUbuntuの最新版「Ubuntu 21.04」正式リリースを発表しました。

Ubuntuは4月と10月の6カ月ごとに新規リリースを行っており、そのリリースのうち偶数年の4月が長期サポート版(LTS:Long Term Support)として5年間の無償サポートが提供されています。

今回のUbuntu 21.04は長期サポート版ではなく通常のアップデートリリースとなります。

Active Directoryで構成管理が可能に

Ubuntu 21.04ではエンタープライズ向けの機能として、Active Directoryのネイティブ対応、最適化されたSQL Server対応が行われました。

Active Directory対応については、下記のように説明されています。「Ubuntu 21.04 is here」から引用します。

Ubuntu 21.04 adds the ability to configure system settings from an AD domain controller. Using a Group Policy Client, system administrators can specify security policies on all connected clients, such as password policies and user access control, and Desktop environment settings, such as login screen, background and favourite apps.

Ubuntu 21.04ではActive Directoryドメインコントローラから、システム設定を行える機能が追加されました。Group Policy Clientを用いることで、システム管理者はパスワードポリシーやユーザーアクセスコントロール、ログインスクリーンやバックグラウンド、フェイバリットアップスなどのデスクトップ環境の設定を、接続されたすべてのクライアントに対して行えます。

SQL Server on Linuxについても、マイクロソフトとCanonicalが共同でUbuntu 21.04での最適化を行ったとしています。

The joint solution comes with performance enhancements, like Force Unit Access (FUA) on XFS filesystems for data durability. Persistent memory (PMEM) offers high-performance data storage without any additional configuration. Finally, the entire platform is highly available, backed by Corosync and Pacemaker, to ensure resilience.

両社が協力したソリューションにより、データの耐久性向上のためのXFSファイルシステム上でのFUA(Force Unit Access)など、パフォーマンスの向上がもたらされました。また、パーシステントメモリー(PMEM)は、追加設定なしで高性能なデータストレージを提供します。さらにプラットフォーム全体がCorosyncとPacemakerによって支えられた耐障害性により、高可用性を実現します。

Ubuntu 21.04で行われたこれらの最適化は、現在のLTS版であるUbuntu 20.04にもバックポートされているとのことです。

デフォルトのディスプレイプロトコルがWaylandに

ディスプレイプロトコルのデフォルトがWaylandに変更されたのも、Ubuntu 21.04における大きな特徴でしょう。LTS版として1年後に登場するUbuntu 22.04をにらんで、Waylandにおけるさまざまなアプリケーションの動作を確認していく意味が含まれているものと思われます。

また、Flutter SDKの搭載、新たなダークテーマの提供なども行われました。

ちなみに、Ubuntu 21.04のコードネーム「Hirsute Hippo」は、「ひげもじゃのカバ」という意味のようです。

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Junichi Niino(jniino)
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