Terraformがバージョン1.0に到達、正式版に。AWSやAzure、VMwareなどマルチクラウド対応のプロビジョニングツール
HashiCorpがオープンソースで開発しているマルチクラウド対応のプロビジョニングツール「Terraform」がバージョン1.0に到達し、正式版となりました。
Today we are announcing the GA release of #Terraform 1.0. This marks a major milestone for interoperability, ease of upgrades, and maintenance for your automation workflows for what has become a standard for cloud provisioning. #HashiConf https://t.co/Ciqz0txdrT pic.twitter.com/Aj9oF42Fnv
— HashiCorp (@HashiCorp) June 8, 2021
Terraformは、AWSやMicrosoft Azure、VMwareなどさまざまなクラウドインフラのプロビジョニング情報を、特定のインフラベンダに依存しない形式で抽象化し、コードとして記述し適用できる、いわゆる「Infrastructure as Code」(IaC)を実現する代表的なソフトウェアです。
2017年12月には有償版として企業向けのTerraform Enterpriseがリリースされ、2019年5月には、Terraformをクラウドサービスとして提供する「Terraform Cloud」もリリースされています。
今年、2021年3月にはシスコ・システムズがTerrafromを販売することが発表されるなど、すでにTerraformはマルチクラウド対応のプロビジョニングツールとして本格展開が始まっています。
参考:シスコとHashiCorpが提携。シスコがTerraformとシスコ製品を統合、販売へ
Terraform 1.0に向けた4つの条件を満たした
すでに本格的に多方面で使われているTerraformですが、HashiCorpはTerrformを含む同社のソフトウェアがバージョン1.0に到達するための条件を4つ挙げていました。
1つ目は、本番環境で幅広く使われ、十分な信頼性を獲得していること。2つ目は、その製品の主要なユースケースが十分に理解され、製品がそれをしっかりサポートできていること。3つ目は、ユーザーインターフェイスやドキュメント、学習教材などを含むユーザー体験が確立されていること、そして4つ目は製品の技術的なアーキテクチャが成熟し安定していることです。
Terrafromに関してこれらが満たされたと判断されたことで、同社はTerraform 1.0を宣言したことになります。
ユーザーとしてもこれらの条件が満たされたとあれば、安心して本番環境で使うことができる品質になったと受け止められるでしょう。
Terraform 1.0はダウンロードサイトからWindows版、macOS版、Linux版、FreeBSD版、OpenBSD版、Solaris版がダウンロード可能になっています。
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