Stack Overflowが投資会社に買収された理由は、グローバル展開を加速し、さらに成長するため
エンジニア向けのコミュニティサイトとして知られるStack Overflowは、オランダの投資会社Prosusによる買収を発表しました。
Big news! Stack Overflow is excited to be joining the Prosus family of companies, propelling us into our next phase of growth. Cheers to the future of workplace collaboration and learning! https://t.co/ENHi6pIfza pic.twitter.com/CWpq1LjyAz
— Stack Overflow (@StackOverflow) June 2, 2021
Prosusは中国のTencentの主要株主。さらに、オンライン学習プラットフォームを提供するUdemy、プログラミング学習サービスのCodeacademy、学生と親、教師ターゲットにしたソーシャル学習プラットフォームのBrainlyなど、教育系サービスに積極的に投資しています。
Stack Overflowの買収もこうした教育系プラットフォームサービスのポートフォリオを強化するためものと見られます。
グローバル展開を加速するStack Overflow
Stack Overflowはこの買収によって、グローバル展開を加速すると、次のように発表しています。
Once this acquisition is complete, we will have more resources and support to grow our public platform and paid products, and we can accelerate our global impact tremendously.
この買収が完了すると、パブリックプラットフォームや有料製品を成長させるためのリソースやサポートが増え、グローバルな影響力を飛躍的に加速させることができます。
Stack Overflowは2008年、Jeff Atwood氏とJoel Spolsky氏によってプログラマ向けのQ&Aサイトとして立ち上げられました。
その後、システム管理者向けのQ&Aサイト「Sever Fault」をはじめさまざまなQ&Aサイトなどを立ち上げたことで、インターネット上のエンジニア向けコミュニティサービスとして最大手の1つと言われるほどに成長。
2018年にJoel Spolsky氏は、Stack Overflowをさらに成長させていくとして、自身に代わる新CEOの募集を開始します。
参考:Stack Overflowが新社長を募集中。創業者のJoel Spolsky氏「私たちは新しいタイプのリーダーを迎えようとしている」
そして2019年9月、現在のCEOであるPrashanth Chandrasekar氏が着任。ビジネス的な成長を積極的に指向する体制になりました。
今回の買収は、そうした積極的な成長をより加速したい同社と、教育系プラットフォームサービスへの投資を行うことでその成長を支援したい投資会社との思惑が一致したものといえそうです。
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