Salesforce Functionsがベータ公開、Salesforceプラットフォームでサーバレスを提供
Salesforce.comは、Salesforceプラットフォーム上の新サービスとしてサーバレスコンピューティングを実現する「Salesforce Functions」のベータ公開をSummer '21リリースで行うことを明らかにしました。
Salesforce Functions登場以前から、Salesforceのプラットフォーム上では同社独自のApex言語などによってアプリケーションを構築できます。しかしマルチテナントアーキテクチャによって複数のテナントがコンピューティングリソースを共有する同社のプラットフォームの性質上、特定のテナントが一定以上プラットフォームのリソースを占有しないように、Apexの実行には「ガバナ制限」と呼ばれる制限が設けられています。
ガバナ制限には、発行されるSOQLクエリの合計数、取得されるレコードの合計数などの制限の他、処理にかかる最大のCPU時間にも制限がかかっており、最大10秒までとなっています。
そのためApexでは時間のかかる大規模なデータ分析が事実上行えません。
Salesforce Functionsではこうした制限がなく、スケーラブルかつ長時間の処理も可能です。
一般にAWS Lambdaなど一般的なサーバレスコンピューティングは、イベントドリブンなアプリケーションを開発することを目的に利用されます。Salesforce Functionsでもあらかじめユーザーが定義した関数をデプロイし、それを呼び出して処理を行う仕組みは同じですが、一方で時間のかかる計算処理やデータ分析などにも用いられることが想定されるなど、ほかのサーバレスコンピューティングとはやや異なるユースケースまで守備範囲になっているといえそうです。
Salesforce Functionsでは、Node.js/JavaScript、Java、Apexでプログラミングが可能。データベースとしてPostgreSQL、Redis、kafkaのマネージドサービスが提供されます。
Salesforceプラットフォームなどのイベントによる関数の実行や、外部HTTPアクセスからの呼び出しにも対応します。
前述の通り、Salesforce FunctionsはSummer '21リリースでベータ公開となり、正式リリースはWinter '22リリースの予定です。
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