Rust言語を推進する「Rust Foundation」設立。AWS、Google、マイクロソフト、モジラ、ファーウェイらが設立メンバー
Rust言語のコアチームは、Rust言語の開発やエコシステムを推進する「Rust Foundation」の設立を発表しました。
設立メンバーはAWS、ファーウェイ、Google、マイクロソフト、Mozillaの5社(Rust Foundationの発表、AWSの発表、Googleの発表、Microsoftの発表、ファーウェイの発表、Mozillaの発表)。
Rust Foundationは昨年、設立に向けた動きをMozillaが発表していました。今回それが正式に実現されたことになります。
参考:「Rust Foundation」が年内にも設立。Rust言語のコアチームとMozillaが発表
Rust Foundationへ、Mozillaから商標や資産などを移管
Rust言語は、Mozillaが開発し、コミュニティベースで開発が進められてきた、C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られたオープンソースのプログラミング言語です。
不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理や、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点などの特長を備えているため、安全かつ高速なアプリケーション開発を実現します。
Rust Foundationの設立に伴い、Mozillaが保有していたRust関連の商標、Rustのパッケージレジストリとして機能していたcrates.ioなどの資産などはすべてMozillaからRust Foundationに移管されます。
Rust言語は2020年6月に発表されたStack Overflowの調査でソフトウェアデベロッパーが好きなプログラミング言語の1位に選ばれるなど、注目度が高まっていました。
参考:Stack Overflowの調査によると、デベロッパーの5割以上が「フルスタック」エンジニアを自認。最も使われている言語はJavaScript、最も愛されている言語はRust
一方で、Rustの大きな支援者であったMozillaが2020年8月に大規模なリストラを発表し、Rustの開発体制などが不安視されていました。
参考:Mozillaが大規模リストラ。「すべてが無料だった古いモデルには結論が出た」として今後は新たなビジネスモデルを模索すると
今回、Rust FoundationをAWSやGoogle、マイクロソフトなどIT業界の巨人ともいえる企業が設立したことで、Rust言語の開発体制についての不安は当面のところ払拭されることになりそうです。
Mozillaが中心となってきたMDNもGoogle、マイクロソフトらが支援
MozillaはWebにおいて独立した存在としていくつかの重要な機能を果たしてきました。
Web標準のリファレンスとなるドキュメントであるMDNもその1つです。MDNもMozillaのリストラの影響で体制が縮小されていましたが、Googleやマイクロソフトらが「Open Web Docs」を設立、支援を表明しています。
参考:Google、マイクロソフトらが設立、「Open Web Docs」を発表。MDNなど支援、Web技術のドキュメント化を推進
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