Red HatとNutanixが戦略的提携を発表。Nutanix上でRed Hat OpenShiftが優先的なKubernetes環境に

2021年8月3日

Red HatとNutanixは戦略的提携を発表し、Nutanix環境におけるRed Hat OpenShiftの優先的な位置づけや、Red Hatの動作保証環境にNutanixのAHVを含めるなどの施策を発表しました。

Red Hatは現在、クラウドネイティブ環境としてOpenShiftの普及に注力しています。一方、Nutanixはハイパーコンバージドのアプライアンスに強いベンダです。

今回の戦略的提携の下で、両社は以下の施策を明らかにしました。

  • Nutanix Cloud PlatformにおけるKubernetes環境の優先的選択肢としてRed Hat OpenShiftを位置付ける
  • Red Hat Enterprise LinuxおよびRed Hat OpenShiftの優先的なハイパーコンバージドシステムの選択肢としてNutanix Cloud Platformを位置付ける
  • Red Hatは、Nutanixの仮想化ハイパーバイザであるAHVを認証済みの仮想化ハイパーバイザとし、これを用いたNutanix Cloud Platform上でのRed Hat Enterprise LinuxとRed Hat OpenShiftをフルサポートする
  • 両社製品の相互運用性についてのロードマップを共同開発していく
  • 両社製品を利用している顧客について、よりシームレスなサポートを提供することで迅速な問題解決を図る

これによって、Red HatはオンプレミスにおいてNutanixユーザーへのリーチを強化でき、OpenShiftの普及の後押しになると思われます。

Nutanixにとっては、これまで仮想化統合基盤として見られていたハイパーコンバージドシステムを、クラウドネイティブなプラットフォームへと進化させていくための重要なパーツとしてOpenShiftを利用していくと見られます。

そしておそらくこの戦略的提携は、両社にとって共通の敵であるVMwareへの対抗策でもあるはずです。

Red HatにとってVMware vSphereに統合されたKubernetes環境であるVMware TanzuはRed Hat OpenShiftの競合であり、一方でVMwareプラットフォームをDellのサーバと統合したDell EMC VxRailはNutanixにとって最大の競合です。VMwareとの競合のために、Red HatとNutanixはお互いのプロダクトを必要とし、組むことにしたと言えるかもしれません。

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