日本のPCの搭載メモリは他国と比べて少ないのか? Chrome開発チームのグローバル調査で分かる、各国のパソコンやスマホ事情
Google Chromeブラウザの開発チームが、世界の主要国でChromeブラウザがどんなスペックのデバイスで実行されているかを調査した「Chrome user device characteristics report」を公開しました。
あるソフトウェアを、PCやスマートフォンで適切に、あるいは高速に実行できるように最適化するには、対象となるデバイスのメモリ容量やコア数などを想定しなければなりません。
Chromeブラウザ開発チームはChromeブラウザが適切に実行できるように、世界各国においてどのようなデバイスでChromeが実行されているのかを知るために調査を行いました。その結果が公表されたわけです。
調査項目は、Windows、Android、ChromeOSに対応したデバイスに関するメモリ容量、プロセッサのコア数、WebGLの対応状況です。そしてこれが主要国、具体的にはブラジル(BR)、ドイツ(DE)、エジプト(EG)、英国(グレートブリテン:GB)、インドネシア(ID)、インド(IN)、日本(JP)、ナイジェリア(NG)、米国(US)、南アフリカ(ZA)(それぞれの括弧内は調査結果で使われている国名コード)ごとに示されています。
ここではその中からWindowsデバイスのメモリ容量とコア数について、日本と米国、英国、ドイツ、エジプト、ブラジルを抜き出して、グラフを合成してみました。
日本のPCの搭載メモリは他国と比べて多い? 少ない?
下記は日本のWindowsデバイスの搭載メモリ容量について、2020年1月から2021年4月までの変遷と、各国の2021年4月の状況を示すグラフを組み合わせたものです。
日本の状況を見ると、メモリ容量4GBとそれ以下のマシンは徐々に減り、5GB~10GBのマシンの割合が増えていることが分かります。
2021年4月の状況を他国と比較すると、米国とドイツはメモリ容量10GB以上の割合が日本より高く、英国とはほぼ似たような状況であることが分かります。先進国の間でもこのような相違があるのは興味深いですね。
一方でエジプト、ブラジルを見ると、メモリ容量4GB以下の割合が50%を超えています。
コア数は?
次にWindowsマシンのコア数も見ていきましょう。同じく2020年1月から2021年4月までの日本での変遷と、各国の2021年4月の状況を示すグラフを組み合わせたものです。
日本の状況は5~8コアがじわじわ増えてきているようです。他国と比較すると、米国は日本より5~8コアの割合は小さく、その上下の3~4コアと9~16コアが多くなっているようです。英国やドイツもコア数では日本より少なめに見えます。
一方、エジプトとブラジルで4コア以下が多数になっていることが分かります。
こうしてみると、少なくとも日本でChromeブラウザを実行しているようなWindowsマシンの状況は、他の先進国の状況とそれほど見劣りしないようだ、というところでしょうか。
レポートにはAndoroidデバイスの状況や、ここで紹介し切れていない各国の状況なども示されていますので、興味のある方はぜひレポートをご覧ください。
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