Oracle DBのパッチやバックアップなど運用自動化をKubernetes拡張機能で実現、オープンソースの「El Carro」をGoogle Cloudが公開

Google Cloudは、Kubernetes上でOracle Databaseの運用自動化を支援する「El Carro」をオープンソースで公開しました。

Oracle Databaseは以前からコンテナ環境に対応しており、DockerイメージやDockerファイルもオラクル純正のものが提供されています。Helmチャートを使ってOracle DatabaseをKubernetes環境上にデプロイすることも可能です。

今回オープンソースで公開されたEl Carroは、Kubernetesの拡張機能であるOperatorパターンを用いて、Kubernetes上でのOracle Databaseの運用自動化を支援するソフトウェアです。

El CarroはKubernetes上でOracle DBの運用自動化を支援

Googleのブログ「Modernizing Oracle operations with Kubernetes and El Carro」から、El Carroが具体的にどのような自動化支援機能を提供してくれるのか、説明の部分を引用します。

Its open API allows you to manage your database configurations as declarative code, enabling CI/CD or Gitops workflows for auditability and control mechanisms.

オープンなAPIにより、データベース構成を宣言的なコードとして管理でき、CI/CDまたはGitOpsによるワークフローを可能にすることで監査可能性と制御の仕組みを実現します。

El Carro automates many database lifecycle operations, like backups, replication, and patching. And, when it distributes databases on the nodes of a cluster, it is aware of the priority and resource requirements of each database to optimize tight packing while respecting quality of service.

El Carroは、バックアップ、レプリケーション、パッチ適用など、多くのデータベースのライフサイクルにかかるオペレーションを自動化します。また、データベースをクラスターのノードに分散させる際には、各データベースの優先順位とリソース要件を認識し、サービス品質を尊重しつつ密接な連携を最適化します。

Lastly, it helps DBAs by delivering automation without restrictions and leaving DBAs in full control over their systems. You can choose to let the operator drive for you, but you can also take over the steering wheel yourself at any time.

最後に、制約のない自動化を実現し、DBAがシステムを完全にコントロールできるようにすることで、DBAを支援します。DBAはKubernetesオペレーターによる自動化に運用を任せることもできますが、いつでも自分で操作することもできるのです。

つまりOracle Databaseのパッチ適用やバックアップなどの日常的な運用操作を自動化し、またデータベース管理者がマニュアル操作する場合でもCI/CDやGitOpsを用いたモダンでクラウドネイティブ的な操作を可能にしてくれる、というもののようです。

El CarroをGoogle Cloudが公開する理由は

Google Cloudはエンタープライズ市場を積極的に取りに行っていますが、そこではOracle Databaseが大きな影響力を依然として持ち続けています。

El Carroの公開は、Google Cloudが得意なコンテナ及びKubernetes環境においてOracle Databaseの使い勝手を向上させることにより、Google Cloud上でOracle Databaseを稼働させることの魅力を増していこうというアプローチのように見えます。