Oracle Cloud、最大160コアのArmプロセッサを用いた「OCI Ampere A1 Compute」開始。無償で4CPU/24GBメモリを期限なく提供、Arm対応のJenkinsやKubernetesも

2021年6月1日

オラクルは、同社が提供するクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」でArmプロセッサベースの新コンピュートサービス「OCI Ampere A1 Compute」(以下、A1 Compute)の提供開始を発表しました

A1 Computeは、Armがデータセンター向けプロセッサとして設計した「Neoverse」を基に、半導体ベンチャーのAmpereが開発した「Ampere Altra」プロセッサを採用。

ベアメタルサーバでは最大160コア、1テラバイトメモリを搭載。仮想マシンでは、1 OCPU(1 OCPUは、ハイパースレッディングが有効な Xeonプロセッサの1物理コア相当のCPU性能)から80 OCPU、コアあたり1GBから64GBのメモリを設定可能です。

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利用料金は1時間あたり1コア1セント(約1円)という低価格が設定されています。

オラクルはA1 ComputeのユースケースとしてWebサーバやアプリケーションサーバなどの汎用ワークロード、インメモリキャッシュやデータベース、モバイルアプリケーション開発、計算量の多い科学計算など幅広く想定しています。

エコシステム充実に向け、期限なく無償で4 OCPU、24GBのサーバ提供

Armプロセッサは、AppleのM1プロセッサやAWSのGravitonなどにより十分に高い性能を発揮しうることが証明され、そのことが広く知られてきました。

今回A1 Computeに採用されたAmpere Altraプロセッサも、前述の通りデータセンター向けに設計されたNeoverseベースであることから、十分に高い性能を発揮することが期待されます。

一方でデータセンターではx86プロセッサが事実上の標準となっていることから、対応するアプリケーションを含むArmプロセッサベースのエコシステムが貧弱な点が最大の課題です。

Oracleおよび今回のA1 Compute提供にあたってそれを後押ししているAmpereやArmもそのことを十分に理解しており、今回はOracle Cloud Infrastructre上でエコシステムの充実に向け、特にソフトウェアデベロッパー向けに手厚い施策を発表しています。

その最も大きなものが期限なく無償でA1 Computeを利用できるAlways Freeの提供でしょう。

Oracle CloudではさまざまなサービスでAlways Freeを提供していますが、A1 Computeでは4 OCPU、24GBメモリのコンピューティングリソースを無償で期限なく利用できます

また、これとは別にFree Tierとして無償のトライアル期間なども提供されています。

fig2

さらに、オープンソースのプロジェクトや大学の研究室での利用などArmのエコシステム拡充につながるものに対しては、オラクルに申請することで要件に対応した無償利用権の提供も行うとされています。

fig3

すでにArmベースに対応したGitHub、GitLab、Jenkins、そしてRancherとKubernetesなどの主要な開発環境を構成するツールに関しては、Oracle Cloud上で利用可能になっています。

開発者は慣れ親しんだツールチェーンをArmベースでも組み立てることが容易になっているでしょう。

fig4

A1 ComputeはOracle Cloudの東京と大阪リージョンでも正式に提供がはじまっています。

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Junichi Niino(jniino)
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