マイクロソフト、NoSQLデータベース「Extensible-Storage-Engine」をオープンソースで公開。25年以上、ExchangeやActive Directoryなどで利用
マイクロソフトは、Windows NT 3.51に初めて搭載されて以来、何度もコードを書き換えられてExchange 4.0やActive Directoryのバックエンドなど、さまざまなマイクロソフト製品に組み込まれ、文字通り何百万台ものマシンで稼働してきたNoSQLデータベースエンジン「Extensible-Storage-Engine」のソースコードを公開しました。
Extensible-Storage-EngineはISAMベースのデータベースエンジン。
トランザクションに対応した更新処理と検索による一貫性を備え、また一貫性を保持するためのクラッシュリカバリ機能も搭載。ライトアヘッド処理とスナップショットアイソレーションによるACID処理も備えています。
「JET API」と呼ばれるAPIセットを利用して操作します。
AccessのJETエンジンとは違うもの
過去にMicrosoft Accessのデータベースエンジンとして「JETエンジン」と呼ばれてきた実装がありましたが、今回のExtensible-Storage-Engineの説明では、「JETエンジン」や「JETデータベース」といったものは正確には存在しておらず、2種類の「JET API」を実装したものが一般にそう呼ばれてきたのだとのことです。
そしてAccessに搭載されていたのは、2種類のJET APIのうち「JET Red」を実装したもので、今回オープンソース化されたのは「JET Blue」を実装したものだそうです。
長く社内で開発されてきたため、念のためコメントを全削除
また、今回公開されたコードからはコメントがすべて削除されています。その理由は次のように説明されています。
This codebase has a long history of internal development at Microsoft, so, in order to stay on the safe side with the very first release of the source code, we have temporarily removed all comments and excluded certain file types.
このコードベースはマイクロソフト社内で非常に長期間開発されてきたため、公開当初は安全を期すために一時的にすべてのコメントを削除し、特定のファイルタイプも除外しました。
今後、精査したうえでコメントを加えていく予定とのことです。
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