無料のフルマネージドなグラフデータベース「Neo4j AuraDB Free」発表。5万ノード、17万5000リレーションシップまで利用可能
Neo4j社は、同社が提供する代表的なグラフデータベース製品のマネージドサービス「Neo4j AuraDB」の無料版「Neo4j AuraDB Free」を発表しました。
We’re excited to announce that everyone can now use Neo4j AuraDB Free, and get started without a credit card!https://t.co/ZT4tw2VB3U#GraphDatabase #Cloud #Neo4j
— Neo4j (@neo4j) November 3, 2021
Neo4j AuraDBは、オープンソースのグラフデータベースとして知られる「Neo4j」を、クラウド上のマネージドサービス、つまりDatabase-as-a-Serviceとして提供するサービスです。クラウドはAWSとGoogle Cloudが採用されていると説明されています。
データとデータとの関係を高速にたどることが可能
グラフデータベースとは、データとデータの関係性をグラフ構造で表したものといえます。
例えばFacebookやLinkedInなどのソーシャルメディアが、ユーザー同士の関係性を表すソーシャルグラフを格納するのに使っている例がよく知られています。
リレーショナルデータベースの場合、あるデータが別のデータと関係を持つかどうかは、テーブルをジョインして確認する必要があります。
一方、グラフデータベースは関係を示す情報はデータごとに保持されているため、直ちに関係をたどることが可能です。そのため、グラフデータベースではリレーショナルデータベースではジョインが続くような時間がかかる処理を得意とし、非常に高速に処理できます。
最近の例では、Neo4jのコミュニティによって、新型コロナウィルスの陽性と判定された人のコンタクトトレーシング、つまりその人がそれまで誰と接触してきたかを検索できるアプリが開発されています。
参考:RDBで直面した性能問題、グラフデータベースでなぜ解決できたか?[PR]
ただしグラフデータベースでは、リレーショナルデータベースのSQLのような標準的なクエリ言語がなく、実装ごとに異なるクエリ言語が採用されています。Neo4jではシンプルな構文が特徴の「Cypher」と呼ばれるクエリ言語が用意されています。
無料で5万ノード、17万5000リレーションシップまで利用可能
Neo4j AuraDB Freeは、5万ノード、17万5000リレーションシップまで無料で利用可能なフルマネージドなグラフデータベースサービスです。クレジットカードの登録も不要とのこと。
個人がグラフデータベースを学習する目的や、企業でグラフデータベースを用いたアプリケーションのプロトタイプを開発する際などに適していると同社は説明しています。
リレーショナルデータベースと比較するとグラフデータベースはあまり知られておらず、試す機会もそれほど多くないと思います。そうした中で、Neo4j AuraDB Freeはグラフデータベースを気軽に試せるサービスとして期待できるのではないでしょうか。
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