クラウドネイティブの目的は運用と自動化の改善のため、コンテナやKubernetes採用の最大の課題は社内のスキルや人材不足、ローカルではMinikubeとDocker Kubernetesが人気。Canonicalによる調査結果
Canonicalは、1000人以上のIT技術者や専門家に対してクラウドネイティブをテーマにした調査結果「Kubernetes and cloud native operations report 2021」を発表しました。
対象者は1162人。うち23.7%がSRE/DevOpsエンジニア、11.5%がインフラストラクチャアーキテクト、9.8%がバックエンドエンジニア、8.7%がフルスタックエンジニア、5.5%がアカデミック/教師/学生、4.6%がセキュリティエンジニアなど。
この記事では、主な回答をいくつか見ていきましょう。
クラウドネイティブの目的は自動化など、実行環境はハイブリッド
クラウドネイティブで重要な目的としているものを2つ選択する、という問いには、「Improved maintenance, monitoring and automation」(メンテナンス、モニタリング、自動化の改善)が1位、「Modernizing infrastructure」(インフラのモダン化)が2位、「Faster time to market」(市場対応の高速化)が3位となりました。
あなたの組織ではアプリケーションをどこで実行していますか? という問いには、1位が「On a mix of bare metal, VMs and Kubernetes」(ベアメタル、仮想マシン、Kubernetesの混在)が1位。
2位は「All our application are on Kubernetes」(アプリケーションはすべてKubernetes上)、3位が「Mostly on VMs, planning a full migration to Kubernetes」(多くが仮想マシン上だが、Kubernetesへのフル移行を計画している)。2位と3位、4位の「On VMs, evaluating Kubernetes for developers」(仮想マシン上。開発者向けにKubernetesを評価中)が横並びという感じです。
Kubernetes-as-a-Serviceに取り組み中、社内のスキル不足が課題
いま取り組んでいるクラウドネイティブのユースケースはどれですか? との問いには、1位が「Deploying or managing Kubernetes-as-a-service」(Kubernetes-as-a-serviceの展開もしくは運用)、2位が「Re-architecting proprietary solution into microservices」(プロプライエタリなソリューションをマイクロサービスに再構築)となっています。
3位に「Moving to an open-source solution」(オープンソリューションへの移行)が入っているのは興味深いですね。
Kubernetesとコンテナへの移行する上で最も課題となっているのは? との問いには、「Lack of in-house skills/limited manpower」(社内のスキルと人材不足)が他を引き離して1位。2位は「Company IT structure」(起業におけるIT構成)、3位が「Incompatibility with legacy sysmtes」(レガシーなシステム群における非対応)。回答者の悩みがリアルですね。
クラウドではAWS、ローカルではMinikubeが人気
どんな環境でKubernetesを実行していますか? との問いでは、1位AWS、2位Azure、3位GCPと、クラウドのシェアに順当な順位。4位にVMwareが入っています。
ローカルでのコンテナ開発におけるKubernetes環境は? との問いには、1位がMinikube、2位がDocker Kubernetes、3位がMicroK8s。これはCanonicalによる調査というところを留意したほうがいいのかもしれません。
その他多くの調査結果が公開されていますので、興味のある方はぜひ元記事をご覧ください。
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