Kubernetes 1.21正式リリース。定期的な実行を可能にするCronjobsが正式版、IPv4/IPv6デュアルスタックがデフォルトで有効に
オープンソースとして開発されているコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」の最新版「Kubernetes 1.21」正式版がリリースされました。
We’re pleased to announce the release of #Kubernetes 1.21, our first release of 2021!
— Kubernetes (@kubernetesio) April 9, 2021
51 enhancements: 13 have graduated to stable, 16 are moving to beta, 20 are entering alpha, and 2 features have been deprecated. https://t.co/ceRD9dXY8K
今回のリリースでは、これまでのコミュニティに定期的に要望を訪ねるという体制から、コミュニティの側から自由に機能などの要望を提供する体制に変更され、下記のようにそれが多くの機能に結びついたと説明されています。
These changes have resulted in an increase in collaboration and teamwork across the community. The result of all that is reflected in Kubernetes 1.21 having the most number of features in the recent times.
この変更により、コミュニティ全体のコラボレーションとチームワークが向上しました。その結果、Kubernetes 1.21は最近のリリースとしては最も多くの機能を備えるものとなりました。
最近のKubernetesでは、リリースごとに「リリースロゴ」が策定されています。右が今回のリリースロゴです。
「リリースロゴの七角形の地球は、来るべき課題を克服しようとするコミュニティの強い決意を意味しています。そして楽しさの詰まったKubernetesのリリースを実現するための、この3カ月間のリリースチームの素晴らしいチームワークを称えています」とのことです。
Kubernetes 1.21の主な新機能や変更点
定期的に特定の処理を実行する「Cronjobs」(旧Scheduledjobs)がベータを卒業して正式版となりました。定期的なバックアップやレポート生成といった処理を、毎時、毎日、毎月など、あらかじめ設定されたスケジュールに従って起動、実行してくれます。
IPv6/IPv6デュアルスタックのサポートにより、ポッド、サービス、ノードはIPv4とIPv6のアドレスをそれぞれ持てるようになります。Kubernetes 1.21でこのデュアルスタックがベータ版となり、デフォルトで利用可能になっています。
Graceful Node Shutdownもベータになりました。以前はノードがシャットダウンすると、そこで実行されているポッドも同時に終了されてしまうため、さまざまなワークロードで問題が発生する可能性があります。今後、kubeletはsystemdを介してシステムシャットダウンを検出し、それをそのノードにスケジューリングされているポッドに通知することで、可能な限り緩やかに(Gracefulに)ポッドが終了できるようになります。
PersistentVolume Health Monitorがアルファ版として提供されます。これはパーシステントボリュームの健全性を監視し、不健全性を検出した場合にはそれを通知します。ワークロードはこれにより、不健全なパーシステントボリュームに対するデータの書き込みや読み出しを防ぐことができるようになります。
そのほか新機能や変更点などは、Kubernetes Blogの記事「Kubernetes 1.21: Power to the Community」をご参照ください。
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