KotlinでAndroid/Web/DesktopアプリのUI開発を統一するフレームワーク「Compose Multiplatform」がアルファ版に
プログラミング言語のKotlinを開発するJetBrainsは、KotlinでAndroidアプリ、Webアプリ、Desktopアプリを統一的に記述できるフレームワークとなる「Compose Multiplatform」がアルファ版に到達したことを発表しました。
Compose Multiplatformは、Android用のUIフレームワークである「Jetpack Compose」をベースに、Webアプリ用の「Jetpack Compose for Web」、Windows/Mac/Linuxのデスクトップアプリケーション用の「Jetpack Compose for Desktop」の3つのフレームワークを統合するものです。
ベースとなるJetpack Composeが今月バージョン1.0となったのを契機に、Compose Multiplatformがアルファ版として登場することになりました。
参考:マテリアルデザインを簡潔に記述できる「Jetpack Compose」がバージョン1.0に到達、本番環境で安心して利用可能に
JetBrainsは、Compose MultiplatformにおいてAndroidと同様に宣言型のアプローチでWebやデスクトップのUIも構築できるようにすると、「Compose Multiplatform goes Alpha, unifying Desktop, Web, and Android UIs」で次のように説明しています。
With Compose Multiplatform, we’re making it possible to use the same declarative approach and APIs used for modern Android applications to create user interfaces for desktop and browser apps powered by Kotlin on the JVM and Kotlin/JS.
Compose Multiplatformでは、最新のAndroidアプリケーションで使用されているのと同じ宣言型のアプローチとAPIを使用して、デスクトップアプリケーションやブラウザアプリケーションのユーザーインターフェースをKotlin on JVMやKotlin/JSにより構築できます。
Kotlinは以前から「Kotlin Multiplatform」として、iOSとAndroidの両方のモバイルアプリケーションの開発に対応してきました。この場合、モバイルアプリケーションのロジック部分は共通化し、UIの部分はAndroidではJetpack Compose、iOSではSwift UIとそれぞれのネイティブなフレームワークを用いることで対応します。
今回のCompose Multiplatformはこれとは別に、AndroidとWebとデスクトップのUIを統合しようという試みです。予定では年内にもバージョン1.0に到達予定です。
JetBrainsはCompose Multiplatformのアルファ版と同時に、統合開発環境であるIntelliJ EDEAとAndroid StudioでCompose Multiplatformを利用可能にするプラグインも発表しました。これらの開発環境からWebやデスクトップのUIのプレビューなどが可能になります。
もともとAndroidのネイティブアプリケーション開発の言語として注目され、発展してきたKotlinですが、いまやモバイルアプリケーションだけでなく、さまざまなアプリケーションの開発に対応する言語として発展しようとしています。
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