Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)がベータへ。コンカレント処理でのメモリリークフリー、iOSエコシステムとの連携強化など
プログラミング言語「Kotlin」の開発元であるJetBrainsは、開催中のオンラインイベント「Kotlin 2021 Premier Online Event」で、Kotlin Multiplatform Mobile(KMM)を来年、2022年春にベータ版としてリリースする計画であることを発表しました。
We are on the verge of reaching the next important milestone: KMM will go Beta in Spring 2022!
— Kotlin (@kotlin) October 23, 2021
In this video, @KathrinPetrova will tell you about all the important changes that you can expect with #KMM Beta.
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KMMは、KotlinでiOSとAndroid向けのネイティブなモバイルアプリケーションのコードを記述する場合に、ロジック部分のコードを共通化できるSDKです。
KMMにより、ネイティブなUIの実装やプラットフォーム固有のAPIを呼び出す場合にのみプラットフォーム固有のコードを記述し、それ以外の部分はマルチプラットフォーム向けのコードとして共通化できるようになります。
下記の図は「Kotlin Multiplatform Mobile がアルファ段階に移行」からの引用です。
KMMのベータ版では、コードの共通化したうえで各プラットフォームとの連携強化やKMMそのもののエコシステムの向上などを目指すとされています。
ベータ版における機能強化の1つとして、新しいメモリマネジメントの採用によって、スレッド間でのオブジェクトの共有やコンカレント処理などの場面においてもメモリセーフかつメモリリークを起こさない仕組みが備えられました。
KotlinはAndroidアプリケーションの開発においてはすでにさまざまな標準ツールとの連携が図られていますが、KMMベータではiOSのツールやエコシステムとの連携も強化される見通しです。
追記:2022年10月にベータ版が公開されました
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