マイクロソフト製Java 11ディストリビューション「Microsoft Build of OpenJDK for Java 11 LTS」正式リリース。無償長期サポート、コンテナイメージの配布も
マイクロソフトは、これまでプレビューリリースとして公開してきた同社製Javaディストリビューション「Microsoft Build of OpenJDK for Java 11 LTS」の正式リリースを発表しました(マイクロソフト寺田氏による日本語訳)。
We are proud to announce the General Availability of the Microsoft Build of #OpenJDK for Java 11 LTS.
— Java at Microsoft (@JavaAtMicrosoft) May 25, 2021
There's also a new #Java 16 EA now in use by millions of #Minecraft players.https://t.co/UZs70h8q0T
2017年9月に登場したJava 9以降、Javaは6カ月ごとに「フィーチャーリリース」と呼ばれるアップデートが行われ、バージョン番号が1つずつ増えています。現時点での最新バージョンは今年、2021年3月に登場した「Java 16」です。
この半年ごとのバージョンアップのうち、3年ごとに長期サポート(LTS:Long Term Support)版がリリースされます。長期サポートとは、そのリリースから少なくとも3年間はセキュリティパッチやバグフィクスが提供されるというものです。
それ以外のバージョンは6カ月後に次のバージョンが登場した時点でサポートが終了します。そのため、業務システムなどの開発において、あるJavaのバージョンで固定して利用したい場合にはLTS版を利用すること求められます。
現時点で最新のLTS版は、2018年9月に登場した「Java 11」で、その3年後にあたる2021年9月、つまり今年の9月には、次のLTS版となる「Java 17」が登場予定です。
少なくとも2024年10月までJava 11 LTSのサポートを提供
今回正式にリリースされた「Microsoft Build of OpenJDK for Java 11 LTS」は、このLTS版であるJava 11に対応したマイクロソフト製のJavaディストリビューションです。無償で利用できます。
マイクロソフトはこの「Microsoft Build of OpenJDK for Java 11 LTS」に対してセキュリティパッチやバグフィクスなどのアップデートを無償で提供すると表明しており、サポートロードマップによるとその期間は少なくとも2024年10月まで継続されることになっています。
また、マイクロソフトは今年9月リリース予定のJava 17が登場し次第、「Microsoft Build of OpenJDK for Java 17 LTS」も提供するとしています。
今回、現時点でのJavaの最新バージョンとなるJava 16に対応した「Microsoft Build of OpenJDK for Java」のアーリーアクセス版もリリースされました。
Linux、macOS、Windows対応のバイナリとコンテナイメージも公開
Microsoft Build of OpenJDK for Java 11 LTSは、Linux x64、macOS x64、Windows x64にそれぞれ対応したバイナリが提供されています。Dockerイメージと、そのイメージ作成に使用したDockerfileの配布も行われています。
ベースとなっているOSはUbuntu 20.04。(興味深いことに)Windowsベースのコンテナイメージは公開されていません。
Dockerイメージは「docker pull」コマンドで簡単に取り込めるため、簡単にコンテナ環境でJavaの利用を開始できるでしょう。
関連記事
あわせて読みたい
HTTP/3の基盤となる「QUICプロトコル」の標準化プロセスが完了、IETFの「RFC 9000」として
≪前の記事
[速報]マイクロソフト、自然言語をプログラミング言語にAIで変換、新ノーコード機能をPower Appsに搭載。AI言語モデル「GPT-3」を採用。Microsoft Build 2021