JAMスタックを実現する国産サービス「Kuroco」正式リリース。GitHub Actionsでビルドし、Webホスティング、APIサーバなど提供。月額1100円分まで無料
ソフトウェアベンダのディバータは、JAMスタックを実現する国産のサービス「kuroco」の正式リリースを発表しました。
kurocoは当初、いわゆる「ヘッドレスCMS」と呼ばれる機能を提供するWebサービスとして登場しました。
今回、これにGitHub Actions連携機能とWebホスティング機能などが追加されたことにより、「JAMスタック」を実現する機能が一通り揃うことになりました。
ヘッドレスCMSとJAMスタック
一般にCMS(コンテンツマネージメントサービス)は、WordPressやMovableTypeなどがよく知られています。これらはコンテンツを入力すると、あらかじめ設定されたHTMLのテンプレートにコンテンツを組み込んでWebサイトを構築してくれます。
ヘッドレスCMSとは、この一般的なCMSから、Webサイトの構築機能やHTMLの生成機能を省略し、コンテンツの内容をAPI経由で入出力可能にしたものです。
ヘッドレスCMSを用いてWebサイトを構築する場合、フロントエンド側からAPIを呼び出してコンテンツを受け取り、それを基にHTMLを生成(あるいはDOMツリーを書き換えて)、Webページとして表示を行います。これにはReact、Vue、Nuxt、Gatsby、HugoなどのJavaScriptフレームワークを用いることが一般的です。
このJavaScript、APIサーバ(ヘッドレスCMS)、HTML(Markup Language)を主に用いたWebサイトの構築技術が、「JAMスタック」と呼ばれているのです。
JAMスタックでは、WebサイトはJavaScriptのコードを組み込んだ静的なHTMLの配布を行うこと、サーバ側はHTMLの生成を行わないAPIサーバとして実装できることなどから、スケーラブルで安定稼働するWebサイトを実現しやすい点が特徴です。
最近ではNetlify、Vercel、そして先日登場したCloudflare Pagesなど、JAMスタックのサービスへの注目度が高まっています。
参考:「Cloudflare Pages」が正式版に。JAMスタックによる高速なWebサイトを構築、CDNに展開へ
GitHub Actionsでビルド、Webホスティングに展開
kurocoに新しく追加されたGitHub Actions連携機能では、GitHubにソースコードがプッシュされるとGitHub Actionsによって(あらかじめ設定されたReactやVueなどのフレームワークによる)ビルドが開始され、ビルド後にWebhookがkurocoへ送信。kurocoがビルド後のコードを取得して、Webホスティングに展開する、という流れになります。
これにより、kurocoのWebホスティングには、GitHubのソースコードに連動した最新のWebサイトが自動的に展開されることになります。
kurocoのWebホスティング機能には、CDN機能とともに、ベーシック認証、IP制限をかけることができるため、クローズドな環境でJAMスタックなWebサイトを開発、提供することもできます。
kurocoは従量課金制で月額1100円までは無料で利用可能とのこと。
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