ITエンジニアが投票した「ITエンジニア本大賞2021」ベスト10発表。「オブジェクト指向UIデザイン」「Clean Agile」「思考法図鑑」など
ITエンジニアが投票によって技術書やビジネス書を選ぶ「ITエンジニア本大賞 2021」の結果が発表されました。
「ITエンジニア本大賞」は翔泳社が主催するイベントです。ただし、対象となる書籍は出版社を問わず技術書、ビジネス書全般です。刊行年も関係なく、これまで大賞に選出された書籍を除き、この1年を振り返っておすすめしたい書籍を投票します。
今回発表されたのは技術書部門とビジネス書部門のそれぞれ10冊。
このなかから特に投票の多かった技術書3冊、ビジネス書3冊について、同社が2月18日、19日に開催するオンラインイベント「Developers Summit 2021(デブサミ2021)」において、書籍の著者、編集者、翻訳者などによるプレゼン大会が開催され、特別ゲストとイベント観覧者による最終投票を経て技術書・ビジネス書の各大賞が決定されます。
技術書部門ベスト10(50音順)
「自分でネットワークやサーバーを構築できるようになる」。これが本書の目的です。新しいものを学習するとき、実際にやってみるのが一番。従来は物理機器がないと学べませんでしたが、今はクラウドがあります。本書は、代表的なクラウドサービス「Amazon Web Services」を実機代わりにネットワークを学び直す、をコンセプトにまとめた1冊です。インフラを学びたい若手技術者にも、インフラを学び直したいアプリ開発者にもオススメです。
本書は、和田卓人氏による株式会社VOYAGE GROUPのソフトウェア技術者11人へのインタビューに補足解説を添えて、1冊の書籍としてまとめたものです。ビジネスとエンジニアリングを両輪にしながら多様な事業のウェブシステムを開発、運用するフルサイクルエンジニアたちの当事者意識、意思決定のスピード感、そして創意工夫の数々を和田卓人氏が引き出します。
オブジェクト指向ユーザーインターフェース(OOUI)とは、オブジェクト(もの、名詞)を起点としてUIを設計すること。タスク(やること、動詞)を起点としたUIに比べて、画面数が減って作業効率が高まり、また開発効率や拡張性も向上する、いわば「銀の弾丸」的な効果を持つ。ブログや雑誌記事などで大きな反響を得たこの設計手法について、前半部では理論やプロセスを詳説。そして後半部の「ワークアウト(実践演習)」では18の課題に読者がチャレンジ。実際に考え、手を動かし、試行錯誤をすることにより、OOUIの設計手法を体得できる。
アジャイルとは、小さなことをしている小さなプログラミングチームの小さな問題を扱う小さなアイデアである。アジャイルとは、大きなことをしている大きなプログラミングチームの大きな問題を扱う大きなアイデアではない。
大きなことは大きなチームなんかじゃできない。小さなことをする小さなチームがいくつも集まり、コラボレーションしながら大きなことを成し遂げるのだ。
このことを、我々はあらためて認識する必要がある。
近年、より複雑化しているプロダクト開発をチームでうまく進めていく手法として、世界中で注目されている「スクラム」。実際の開発現場にどう適用すればよいのかを、とにかくわかりやすく解説しています。
・理論だけで終わらない“実践"の手引き
・架空の開発現場を題材に、実際のプラクティスを詳しく解説!
増補改訂では、初版以降のスクラムのルールの変更を踏まえて、用語や説明の変更、最近の開発現場に向けた追補など、全面的な見直しを行っています。
Amazon Web Services(AWS)のしくみや関連技術についてわかりやすく解説する図解本です。エンジニア1年生、IT業界などへの転職・就職を目指す人が、AWS関連の用語、しくみ、クラウドとネットワークの基礎技術などを一通り学ぶことのできる1冊目の入門書としてふさわしい内容を目指します。本書では、クラウドやネットワークの基礎から解説し、AWSのサーバーサービス、ストレージサービス、ネットワークサービス、データベースサービスについて具体的なサービス名を挙げながら初心者向けにわかりやすく紹介します。今までのAWS解説書では用語がわからず難しかったという人も本書なら安心して学ぶことができます。
大ヒットを続ける人気シリーズの第3弾。今回は「DeZero」というディープラーニングのフレームワークをゼロから作ります。DeZeroは本書オリジナルのフレームワークです。最小限のコードで、フレームワークのモダンな機能を実現します。本書では、この小さな――それでいて十分にパワフルな――フレームワークを、全部で60のステップで完成させます。それによって、PyTorch、TensorFlow、Chainerなどの現代のフレームワークに通じる知識を深めます。
「エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計」や「実践ドメイン駆動設計」をこれから読もうとしている方、もしくはすでに読んだものの、もう少しやさしい入門書も読みたいと感じているエンジニアの方を対象としています。
本書は、ドメイン駆動設計において、実践が難しいものは後回しにして、理解しやすい実装パターンからドメイン駆動設計の世界に飛び込んでもらうことを目的としています。そこで初心者にとって、理解しやすい、そして実践しやすいパターンからスタートできるよう、解説を工夫しています。またドメイン駆動設計で頻出するパターンの記述方法やその目的も併せて解説しています。
TCP/IP解説書の決定版! 時代の変化によるトピックを加え内容を刷新!
本書は、ベストセラーの『マスタリングTCP/IP 入門編』を時代の変化に即したトピックを加え、内容を刷新した第6版として発行するものです。豊富な脚注と図版・イラストを用いたわかりやすい解説により、TCP/IPの基本をしっかりと学ぶことができます。プロトコル、インターネット、ネットワークについての理解を深める最初の一歩として活用ください。
競技プログラミング経験が豊富な著者が、「アルゴリズムを自分の道具としたい」という読者に向けて執筆。入門書を標榜しながら、AtCoderの例題、C++のコードが充実。入門書であり実践書でもある、生涯役立つテキストを目指した。
ビジネス書部門ベスト10(50音順)
本書ではアフターデジタル先進国に注目し、特に中国のアリババやテンセントといった巨大デジタル企業の「戦略」、表面的な取り組みの奥にある「本質」に迫ります。
アフターデジタル社会になると、市場のルールが変わると考えたほうがいい。キーワードは「UX」。そして、アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」(Online Merges with Offline)と呼びます。社会の変革は避けようがないなら、こうした新たなルールをいち早く学び、自社の立ち位置を決めて戦略を練らねば負けてしまいます。既に新たな成果を出し始めている日本企業もあります。デジタルを強みにするには必読の書です。
アメフトのコーチ出身でありながら、優秀なプロ経営者。ジョブズの師であると同時に、グーグル創業者たちをゼロから育て上げたコーチ。アマゾンのベゾスを救い、ツイッター、ユーチューブCEOらを鍛え、たった1人で、シリコンバレー中の企業に空前の成功をもたらした伝説のリーダー、ビル・キャンベル。これまで謎に包まれてきたその驚くべき教えのすべてがいま、初めて明らかに―。
人にはそれぞれ、自分だけの強みとその活かし方がある。「スーパーマンは出てこない」。けれど、日本人が成長するためのヒントが満載の人気コミック『宇宙兄弟』(小山宙哉作)。
ソニー、LINEなど大手企業も採用する「FFS理論」で、宇宙兄弟の登場人物の心理・行動を読み解きながら、自分の強みを伸ばす考え方、取るべき行動を分かりやすく説明します。
こんな時代に、自分の道を切り拓くための道具がある。それは分厚いキャリアガイド本でもなければ、海外の大学で取得するMBAでもない。仮想通貨も、最先端のAIも、5Gも関係ない。ぼくやあなたが今まさに使っている「言葉」だ。
誰でも簡単に意識せずに日常的に使っている「言葉」こそが、あなたの価値を明確にし、あなたの願いを叶え、あなたを成長させるたった一つの、そして最強の武器だ。
本書は、行動経済学と心理学をもとに、人々の行動、日常習慣を変える"行動変容"を促すプロダクトをデザインするための書籍です。
主にヘルスケア(健康管理)、金融(資産管理)など、これまでITプロダクト(サービス、アプリなど)がなかなか使われてこなかった分野を対象に、ユーザーがやりたいと思っていたものの実行できなかった行動の実現を助けるプロダクトを作り出すための、実践的な視点や知識を提供します。
イデアが浮かばない、企画をカタチにできない、考えをうまく伝えられない、予想外の出来事に対処できない……。
本書は、そんな悩みをお持ちの方に捧げる思考メソッド集です。論理的思考やデザイン思考など、さまざまな思考法をイメージがつきやすいように図解テンプレートにしました。
個人はもちろん、チームでのコミュニケーションツールとしても活用できます。
現在の世の中の変化をどう見たらいいのか? 日本の現状をどう考えるべきか? 企業はどうしたらいいのか? すでに大人の人はこれからどうサバイバルしていけばいいのか? この変化の時代、子どもにはどんな経験を与え、育てればいいのか? 若者は、このAIネイティブ時代をどう捉え、生きのびていけばいいのか? 国としてのAI戦略、知財戦略はどうあるべきか? AI時代の人材育成は何が課題で、どう考えたらいいのか? 日本の大学など高等教育機関、研究機関の現状をどう考えたらいいのか? 『イシューからはじめよ』から9年―。ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望。
本書は、中高生向けの「美術」の授業をベースに、
- 「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、
- 「自分なりの答え」を生み出し、
- それによって「新たな問い」を生み出す
という、いわゆる「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説した一冊。
「自分だけの視点」で物事を見て、「自分なりの答え」をつくりだす考え方を身につけよう!
「手書きこそ、最強のビジネススキルだ。聞いた話を整理し、リアルタイムで図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。本書は、彼女が10年以上続けているワークショップ、『地獄のお絵描き道場』のエッセンスを書籍化したものです。
絵心ゼロの主人公が、先生の叱咤激励を受け、徐々に「なんでも図解」を体得していきます。一緒にペンを持ち、「なんでも図解」を体得しましょう!
みずほフィナンシャルグループ(FG)が2011年から進めてきた「勘定系システム」の刷新・統合プロジェクトが2019年7月、ついに完了した。富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータを筆頭に1000社ものシステムインテグレーターが参加したものの、2度にわたって開発完了が延期になったことから、なかなか完成しないスペイン・バルセロナの教会にちなんで「IT業界のサグラダファミリア」とまで呼ばれた史上最大級のITプロジェクトだ。みずほFGは完了までに8年もの年月と、35万人月、4000億円台半ばをつぎ込んだ。
新勘定系システム「MINORI」開発の全貌と、みずほ銀行がこれから目指す金融デジタル化戦略を、みずほFGにおける19年の苦闘の歴史を追いかけ続けた情報システム専門誌「日経コンピュータ」が解き明かす。多くの日本企業が直面する情報システムの老朽化問題、「2025年の崖」を乗り越えるヒントがここにある。
(書籍の紹介はAmazon.comの紹介文を拝借しました)
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僕が運営に関わっている(代表理事をしています)「一般社団法人日本デジタルライターズ協会」主催のオンラインイベント「フリーランスライターのための確定申告 勉強会2021」を、1月26日19時から開催します。
個人事業主の方向けに、今年の確定申告で注意した法外移転などを税理士の方に説明していただきます。どなたでも無料で参加できますので、ご参加をお待ちしております。
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