インテル、新デバイス「Infrastructure Processing Unit」(IPU)発表。スマートNICを拡張しストレージ仮想化やネットワーク仮想化処理などCPUからオフロード可能に
インテルは、クラウド事業者や通信サービス事業者向けに、インフラストラクチャー・プロセシング・ユニット(IPU)を発表しました(インテルジャパンの発表)。
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— Intel News (@intelnews) June 14, 2021
IPUは、ネットワークカードをインテリジェントにしたスマートNICをさらに拡張したもの。これまでCPUで行われていたストレージ仮想化処理やネットワーク仮想化処理を、IPUへオフロードできる能力を備えています。
これによりクラウド事業者などはCPUの能力をすべて顧客向けのサービスに振り向けることができ、また、よりセキュアなクラウドインフラの構築が可能になります。
インテルはIPUをプログラミング可能なネットワーキングデバイスだとしており、クラウドやデータセンターにおけるインフラのネットワークやストレージなどのリソースをインテリジェントに管理できるデバイスと位置付けています。
これにより、ソフトウェアのデプロイと同等のペースで、クラウドデータセンター内にカスタマイズされたインフラ機能を提供可能にします。
すでにAmazon Web Servicesは、Nitro Systemと呼ばれる独自システムをサーバに搭載し、ここに仮想化機能やセキュリティ機能をオフロードしていることを明らかにしています。
参考:Amazon EC2の最新基盤として「VMware Cloud on AWS」や「EC2ベアメタル」の実現にもつながったAWSの「Nitro System」とは?
インテルのIPUは、このNitro Systemのような役割を果たすものともいえるでしょう。
FPGAを搭載したIPUも展開予定
インテルは今後、プロセッサの回路がプログラミング可能な「FPGA」を搭載したIPU、そしてASICを搭載したIPUの展開も予定していることを明らかにしています。
すでにFPGAベースのIPUプラットフォームの初版ロットは複数のクラウド事業者に展開されており、同社初のASIC IPUは現在テスト中とのことです。
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