ERPのクラウド化は難しい、という時代の終焉。3年後の国内ERP市場はクラウドが9割以上、オンプレミスが1割以下へ、ITRが予想
調査会社のITRは、国内でのERPの提供形態や運用形態別の市場規模推移および予測を発表しました。
企業の基幹業務システムを担うERPは、セキュリティやパフォーマンスを含む高度な(あるいは複雑な)システム要件のせいでクラウド化がなかなか進まないとされてきました。
しかし今回のITRの調査では、下記のグラフが示すように昨年2020年時点ですでにERP市場は、SaaSおよびIaaSの2つを合わせたクラウド上でのERPの売り上げがオンプレミスを上回っていることが示されています。
主要ベンダーが新規案件でSaaSの販売を推進
特に高い成長を見せているのがSaaS版のERPです。同社は、「主要ベンダーが新規案件ではSaaSでの販売を推進しており、またパッケージを導入している既存ユーザーに対しても徐々にSaaSへの移行を進めている」ことがSaaSの高成長を支えていると説明しています。
また、IaaSの利用に関しても「近年IaaSへの抵抗感が薄れ、基幹システムでもIaaSを導入する企業が増えており、ERPパッケージの稼働環境としてIaaSを選択する企業が増加しています」とした上で、「各ベンダーが自社のIaaSとERPパッケージのセット販売を推進していることもその大きな要因となっています」と、ERPベンダもクラウドでの利用を推進していると指摘。
これによって3年後の2024年には、1775億円規模の国内ERP市場のうちSaaSが990億円、IaaS上のERPが645億円、合計で1635億円、すなわち約92%がクラウドで占められ、オンプレミスでのERPはわずか8%になると予想されています。
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