Denoの分散ホスティング「Deno Deploy」ベータ2公開。FiIe System API追加、クラッシュレポートなど
Node.jsの作者であるライアン・ダール(Ryan Dahl)氏が新たに立ち上げた企業「Deno Company」は、サーバサイドでJavaScript/TypeScriptを実行するためのオープンソースのフレームワーク「Deno」と、その分散ホスティングである「Deno Deploy」を提供しています。
Denoは、ライアン・ダール氏がNode.jsを開発した経験を活かし、より優れたサーバサイドのJavaScriptランタイムとして新たに開発しているものです。V8 JavaScriptエンジンをベースにしており、JavaScriptだけでなく、TypeScriptとWebAssembly(WASM)にも対応します。
Deno Deployは、その名前の通りDenoを世界中に分散されたエッジデータセンターにデプロイし、すぐに利用できるようにした商用サービスです。
Deno Companyとしては、Denoはオープンソースで無料で利用できるようにして普及を促進し、その商用サービスであるDeno Deployでマネタイズを実現するというビジネスモデルなのでしょう。
Deno Deployベータ2が公開
現在Deno Deployは開発中で、9月2日にベータ2が公開されました。
Deno Deploy Beta 2 is released
— Deno (@deno_land) September 1, 2021
- Deno.readFile for loading static files
- Better interoperability with CLI using Deno.serveHttp
- Crash reports
- Website redesign with better navigation and accessibility
Read more: https://t.co/VHgeMYXRBO
ベータ2では、静的ファイルを読み込む「Deno.readFile」APIが追加されました。リンクされているGitHubのリポジトリから静的ファイルを容易に読み込めるようになります。ベータ1でもファイルの読み込みは可能でしたが、新たに追加されたAPIで、画像やMarkdownファイル、CSSなどWebサイトの要素の読み込みがさらに簡単になります。
また、「Deno.listen」と「Deno.serveHttp」のAPIでリクエストを扱えるようになったことで、Denoとの互換性が高まっています。
ログについては、以前からリアルタイムでワールドワイドに分散したインスタンスからのログを参照する機能がありましたが、これはインスタンスがクラッシュしたときにその場所を見つけるのが難しいという課題がありました。
そこでDeno Deployベータ2では別途、クラッシュしたときのレポートをクラッシュレポートとし、何らかの例外が発生したときにはその直前の100行分のログがとれるようになっています。
そのほかダッシュボードのデザインの改良も行われました。
Deno Deployは今後も改善を続け、2021年第4四半期には正式リリース予定とのことです。
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