AWS、Java 17対応の無料Javaディストリビューション「Amazon Corretto 17」リリース。ただし長期サポート期間は未定
Java 17のリリースに合わせて、Amazon Web Services(AWS)からもOpenJDKをベースにしたJavaディストリビューション「Amazon Corretto 17」がリリースされました。
半年ごとにメジャーバージョンアップするJavaのなかで、Java 17は3年に一度登場するLTS(Long Term Support)版と呼ばれる、長期サポート対象のバージョンとなります。
AWSは過去のLTS版Javaについては長期サポート期間を明示しています。例えば、Java 8に相当する「Amazon Corretto 8」は2026年5月まで、Java 11に相当する「Amazon Corretto 11」は2027年9月までにサポート期間が設定され、ユーザーはこの日まで無償でAWSからセキュリティパッチなどを受け取ることができます。
参考:AWS、「Java 8」を2026年まで、「Java 11」は2027年まで、現行より3年サポート期間延長を発表。独自JavaディストリビューションのCorretto 8とCorretto 11で
今回リリースされたAmazon Corretto 17は、この長期サポート期間がまだ明示されていません。
Amazon Correttoだけでなく、一般的にJavaディストリビューションで長期サポートを提供するうえで必要となるOpenJDKのソースコードに対するバグフィクスは、コミュニティによる開発に依存しています。
現在、Javaコミュニティは今後のLTS版のリリースサイクルを、これまでの3年から2年にするべきかどうかの議論が行われているところであり、これが今後のコミュニティによるLTS版のメンテナンス期間に多少なりとも影響を与える可能性があります。
参考:Javaの長期サポート(LTS)版、次回は2年後に登場の見通し。オラクルがLTSのサイクルを3年から2年に変更提案
Amazon Corretto 17の長期サポート期間が未定になっているのは、おそらくこうした議論の方向性が定まるまで様子をみているのではないかと思われます。
一方、有償サポートが提供される代表的なJavaディストリビューションであるOracle JDKでは、現時点でOracle JDK 17のPremier Support期限が2026年9月まで、Extended Support期限が2029年9月までと明示されています。
Oracle JDK 17からは無償での利用も可能になっており、その場合は次のLTS版がリリースされてから丸1年が経過するまでバグフィクスやアップデートが提供されると説明されているので、仮にLTS版のリリースサイクルが2年になったとしても2年後の2023年9月まで、3年のままなら2024年9月までは無料でのメンテナンスサポートが受けられることになります。
今後マイクロソフトからもMicrosoft Build for OpenJDKのJava 17がリリースされてくることは確実と見られますが、Javaディストリビューションを選ぶ際には、こうしたサポート期間などの事情を考慮すべきかもしれません。
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