AWS、Graviton 2ベースのAmazon Aurora正式サービス開始。最大で35%の価格性能比が向上と
Amazon Web Services(AWS)は、同社が開発したARMベースのプロセッサ「Graviton 2」を採用したマネージドなデータベースサービス「Amazon Aurora MySQL」と「Amazon Aurora PostgreSQL」が、正式サービスとして提供開始されたことを発表しました。
x86サーバより40%価格性能比が高いと主張
「Graviton2」はAWSがクラウドで利用するために独自開発したARMベースのプロセッサです。
初代の「Graviton」はre:Invent 2018で発表され、翌年のre:Invent 2019では早くも二代目の「Graviton2」が登場しました。
Graviton 2では、7nmルールで製造された64ビットのArm Neoverse N1コアを採用。初代Gravitonと比較してコア数で4倍、メモリの速度で5倍、全体として 7倍の性能向上を実現し、x86と比較して40%の価格性能比があると説明されています。
Amazon Auroraも、クラウドを前提とした企業向けの高性能なリレーショナルデータベースサービスとしてAWSが開発したものです。同社はAmazon Auroraが商用データベースと同等のパフォーマンスと可用性を、10分の1のコストで実現すると主張しています。
つまりGraviton 2ベースでのAmazon Auroraの提供は、同社がクラウドで利用することを前提としたプロセッサとデーターベースを組み合わせたサービスとして注目すべきものといえます。
同社はGraviton 2ベースのAmazon Auroraは、最大で20%の性能向上と、最大で35%の価格性能比の向上を実現するとしています。
利用者としてはマネージドサービスはサービスとしてきちんと動いてくれれば、裏側でどのようなプロセッサが動いているかは気にする必要がありません。より価格性能比の高いのであれば必然的にそちらを利用することになるでしょう。
AWSはこのことを理解し、積極的にGraviton 2プロセッサを用いたマネージドサービスを展開してきました。
すでにAmazon RDS MySQL/PostgreSQL、Amazon ElastiCacheなどではGraviton 2を採用済みです。今後さらに多くのマネージドサービスでGraviton 2を採用し、高い価格性能比を他社との差別化に用いていくと見られます。
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