AWS、アレクサと同様の会話理解力を持つ「Amazon Lex」日本語対応を発表。日本語で会話する音声ボットやチャットボットが開発可能に
AWSは、会話型AIを提供するサービス「Amazon Lex」が日本語に対応したことを発表しました。
Amazon Lexを利用することで、「すべてのデベロッパーがAmazon Alexaに採用されている深層学習技術と同じ技術を利用できる」(Amazon Lexの説明文から)とされています。
Amazon Lexは、自動音声認識による音声からテキストへの変換機能と、テキストの内容からその意図を認識する自然言語理解機能を備えています。
つまり、電話やオンライン会議などを経由して日本語の音声をAmazon Lexに入力すると、いわゆる文字起こしのようにその内容をテキストに変換してくれます。
そしてこの音声から変換されたテキストや、Slackなどのテキストチャットなどで入力されたテキストの内容から、Amazon Lexはその意図などを理解し、会話の中から必要なキーワードなどを抜き出すことができます。
AWSにはAmazon Lexとは別に、テキストを人間が発話するような自然な音声に変換できるサービス「Amazon Polly」もあります。Amazon Pollyもすでに日本語に対応しているため、Amazon Lexと組み合わせることで、日本語による音声で会話ができる音声ボットの開発が可能です。
フレーズや聞き出したい情報を設定することで会話ボットを開発
例えば、ホテル予約のための会話ボットをAmazon Lexで開発する場合、あらかじめ「ホテルを予約したいのですが」「ホテルを予約する」「{Location}で{Nights}泊の予約を取って」など、ホテル予約を意図するいくつかのフレーズを設定しておきます。
Amazon Lexがこのフレーズを認識すると、以下で設定するホテル予約の処理がAmazon Lex内で動き始めるようになります。
ホテル予約の処理では、予約に必要な情報を聞き出さなければなりません。
予約に必要な情報として「チェックインの予定日」「宿泊場所」「宿泊日数」「部屋の種類」の4つがある場合、これらを聞き出すために「何日にチェックインしますか?」「どちらの都市に滞在しますか?」「何泊しますか?」「クイーン、キング、デラックスなど、どの種類の部屋にしますか?」などの質問文を設定しておきます。
ちなみに、ホテル予約の意図が分かるフレーズとして最初に「{Location}で{Nights}泊の予約を取って」を設定していますので、もしも「東京で2泊の予定をとって」と言われていたら、その時点でAmazon Lexはホテル予約の意図を認識すると同時に宿泊場所と宿泊日数も認識してくれます。
必要な情報をすべて聞き出せたら、「Xに宿泊予定で、X日にチェックイン、X泊の予定で、部屋の種類はXでよろしいですか?」などの確認のフレーズも設定できます。
その後、Amazon Lexからホテル予約システムのAPIなどを呼び出して必要な情報を渡すことで、ホテル予約が実現できることになります。
Amazon Lexは、東京リージョンを含むAWSのすべてのリージョンで利用可能になっています。
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