Amazon EC2 Auto Scalingに新機能「ウォームプール」、すぐ起動して処理を開始するインスタンス群をあらかじめ準備可能に
Amazon Web Services(AWS)は、Amazon EC2 Auto Scalingの新機能「EC2 Auto Scaling Warm Pools」を発表しました。
Amazon EC2 Auto Scalingは、複数のインスタンスを束ねてクラスタを作成し、負荷の大きさに応じてクラスタを構成するインスタンスを自動的に増減させてくれる機能を提供してくれます。
これにより、例えばテレビで商品が紹介されたECサイトにトラフィックが集中した場合でも、自動的にトラフィックに応じてスケールアウトしてくれる、といった処理が可能になるわけです。
ただし、インスタンスが起動して処理を開始する前に、コードやデータのロード、実行前に必要なスクリプトの実行といったさまざまな前処理が必要な場合があり、場合によっては処理を開始するまでに数分かかる場合もあります。
処理の開始に時間がかかると、そのあいだは多くのエンドユーザーへの応答も遅くなり、ビジネスチャンスを逃すことにもつながりかねません。
新機能として発表されたEC2 Auto Scaling Warm Pools(以下ウォームプール)は、こうしたインスタンスが処理を開始するまでの準備を事前に行うことによって、迅速に処理を開始できるインスタンス群を用意するための機能です。
「Amazon EC2 Auto Scaling introduces Warm Pools to accelerate scale out while saving money」で、この機能は次のように説明されています。
Now, these applications can start pre-initialized, stopped instances to serve traffic in as low as 30 seconds. By default, when configured, a warm pool will maintain enough pre-initialized, stopped instances so that the Auto Scaling group can rapidly scale out to its maximum size at any time. Additionally, customers can run custom initialization steps on an EC2 instance that moves to and from a warm pool using lifecycle hooks.
これらのアプリケーションは、あらかじめ初期化され停止しているインスタンスをわずか30秒で起動し、トラフィックに対応できるようになります。
デフォルトでは、ウォームプールが十分な量の初期化済みの停止したインスタンスを維持し、Auto Scalingグループがいつでも最大サイズまで迅速にスケールアウトできるように構成されています。また、お客様はLifecycle Hooksを使用して、ウォームプールで用いられるEC2インスタンスに対してカスタマイズされた初期化ステップを実行できます。
ウォームプールはAWSのすべてのリージョンで利用可能になっています。
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