マイクロソフト、「Windows Terminal」機能確定版リリース。複数タブ、ペイン分割、プログラミング用フォントなどを含む、4月正式リリース予定
マイクロソフトがオープンソースとして開発中の「Windows Terminal」バージョン0.9がリリースされました。今年4月に正式リリースが予定されており、今回リリースされたバージョン0.9は正式リリースに向けて新機能が追加された最後の版となります。
Windows Terminalは2019年5月にWindows 10の新機能として発表されたソフトウェアです。
タブによっていくつでも画面を開くことができ、それぞれの画面でコマンドプロンプトやPowerShell、Windows Subsystem for LinuxやSSH経由でほかのサーバへの接続など、Windows 10上でのすべてのコマンドラインインターフェイスが統合可能となります。
特に、WindowsからLinuxサーバなどへ接続して作業する際の優れた端末エミュレータとして期待されています。
今回の0.9の次は品質を高めたリリース候補版(RC)が予定されており、その次が正式版の予定です。この機会にあらためてWindows Terminalのおもな機能を見てみましょう。
タブ、ペイン分割、専用フォントなど
Windows Terminalの基本的なユーザーインターフェイスとして利用できるのが、タブ機能とペイン分割機能です。
タブごとに、SSH経由でのほかのサーバへの接続、Windows Subsystem for Linux、コマンドプロンプトやPowerShellなど、さまざまなコマンドラインを開くことができます。タブの順番変更も可能。
タブはそれぞれ独立したインスタンスになっているため、万が一いずれかのタブがクラッシュしても、ほかのタブの接続には影響しません。
タブを複数のペインに分割する機能も備えています。下記の画面をみると、ペインごとに異なる接続先を利用できるようです。
今回リリースされたバージョン0.9では、Windows Terminalを起動するwtコマンドに対して引数が指定できるようになりました。引数により起動時に開くタブやペインの接続先やシェルなどを指定できます。
文字コードはもちろんUTF-8とUTF-16/UCS2に対応。アルファベットはもちろんのこと、アラビア文字、ヘブライ文字、漢字に加え、絵文字など、世界中で使われているほぼあらゆるグリフが表示できます。
グリフの表示はGPUを用いたDirectWriteベースのレンダリングにより高速に行われます。
また、Windows Terminalにはプログラミング用のモノスペースフォント「Cascadia Code」が同梱されます。
Cascadia Codeは数字の「0」(ゼロ)の中央にドットを入れてアルファベットの「O」オーと判別しやすくするなどの工夫のほかに、プログラミングでよく使われる「!=」「<=」といった記号の組み合わせを、一文字として表示するProgramming Ligaturesなどが行われます。
そのほかテーマ表示、背景の透明化、検索機能、キー割り当てのカスタマイズ、マウスサポート、Azure Cloud Shellのサポートなど、さまざまな機能が用意されています。
Windows Terminalは現時点でプレビュー版がMicrosoft Storeから入手可能です。
前述の通り、Windows Terminalの正式版となるバージョン1.0は4月にリリース予定。そして同じく4月か5月に行われるであろうWindows 10の大型アップデートには、Windows 10の内部にLinuxカーネルを組み込むことで互換性を高めたWSL 2(Windows Subsystem for Linux version 2)が含まれることが期待されています。
今年の春はWindows 10におけるLinux環境の改善が飛躍的に向上するタイミングとなりそうです。
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2020年5月に正式リリースが発表されました。
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