マイクロソフト、次期Windows ServerでHTTP/3のベースとなるQUICプロトコル搭載、UDPやTCP性能も向上へ
マイクロソフトは現在最新の「Windows Server 2019」の次のメジャーバージョンアップとなる予定の「Windows Server vNext」(コード名)の新ビルド「Windows Server vNext Preview Build 20201」(以下Build 20201)をリリースしました。
Build 20201ではいくつかの新機能が搭載されています。
おもなものとして、HTTP/3のベースとなるQUICプロトコルが搭載されました。QUICプロトコルは、HTTPをより高速に実装することを目的として開発された、UDPをベースにした新たなプロトコルです。
マイクロソフトはQUICの実装として、今年2020年4月にオープンソースとして公開した「MsQuic」を採用しています。
発表によると、QUICはHTTP/3だけでなくファイル転送プロトコルであるSMBにも使われる予定です。SMBもQUICによってさらに高速化されるのでしょう。
またBuild 20201ではUDPのパケット処理をCPUからNICにオフロードする「UDP Segmentation Offload(USO)」も実装することでUDPの性能向上も実現(これによりUDP上で実装されるQUICの性能も同時に向上します)。
TCPについてもコネクションのスタート時にパケットロスを減らす「TCP HyStart++」や、タイムアウトによる再送を減らす「RACK」などの実装により、性能向上がはかられています。
また、Windows Server Coreコンテナに含まれる.NETのコンパイル前のネイティブイメージを最適化したことで、Windowsコンテナのイメージサイズが20%減少。
SMBプロトコルの暗号化でAES-256をサポート、フェイルオーバークラスタリングにおける仮想マシンのアフィニティ設定の導入などさまざまな新機能が追加されています。
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2021年5月、QUICがRFC 9000としてインターネット標準となりました。
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