Twitter、コードやドキュメント内の用語「Whitelist/Blacklist」「Master/Slave」「Dummy value」などを好ましい用語へ置き換え、具体例も発表
Twitterエンジニアリングチームは、同社のソースコードやドキュメントで使われてる差別につながりかねない用語を、好ましい用語に置き換えると発表しました。
We’re starting with a set of words we want to move away from using in favor of more inclusive language, such as: pic.twitter.com/6SMGd9celn
— Twitter Engineering (@TwitterEng) July 2, 2020
上記のように、同社のエンジニアリングチームは「インクルーシブな言語は、誰もが属する環境を育くむうえで重要な役割を果たします。Twitterで私たちがコードの中で使用してきた言葉は、企業の価値観を反映しておらず、私たちがサービスを提供している皆様を象徴するものでもありませんでした。私たちはそれを変えようと考えています」とツイート。
その具体例として、「Whitelist」を「Allowlist」に、「Blacklist」を「Denylist」に、「Master/Slave」を「Leader/Follower」「Primary/Replica」「Primary/Stanby」などに置き換え始めたとしています。
この作業はすぐ終わるものではなく、まずはソースコードやコンフィグレーションファイルなどに対応した自動変換ツールや文法チェッカー(Linter)などを活用して最小限の手作業で済むようにし、さらにReadme、FAQなどを含むドキュメントについても順次更新を行っていくとのこと。
そしてもちろんエンジニアリングチームが関わるコードやドキュメントだけでなく、会議や日常会話などについても対応させていくと説明しています。
GitHubやJPモルガンチェースでも
こうした動きはTwitterだけではありません。米JPモルガンチェースでも、ソースコードから「Master/Slave」や「Blacklist」といった用語を取り除き始めたと報じられています。
GitHubも先月、「マスターブランチ」という言い方を「メインブランチ」に変えたらどうかという提案に対して、CEOのNat Friedman氏が「すでに取り掛かっている」と発言したことがよく知られています。
It's a great idea and we are already working on this! cc @billygriffin22
— Nat Friedman (@natfriedman) June 12, 2020
センシティブな用語の取り扱いが課題になるのはいまに始まったことではなく、さまざまなオープンソースプロジェクトなどで以前から議論があり、実際に変更された例もあります。
しかし今回の動向は特に米国を中心とした社会全体が差別的とみられる存在に対して厳しい目を向けている中で、IT業界もそれに背中を押されるように議論と行動が活発化している点が、これまでと大きく状況が違う点でしょう。
IT市場がグローバル化している現在、日本においてもこうした動向について無関係ではいられないITエンジニアが増えていくのではないでしょうか。
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