「Rust Foundation」が年内にも設立。Rust言語のコアチームとMozillaが発表
Rust言語のコアチームとMozillaは、年内にもRust言語の開発に関する独立したガバナンスを持つための財団「Rust Foundation」を設立すると発表しました。
追記:2021年2月9日に正式に設立されました(Rust言語を推進する「Rust Foundation」設立。AWS、Google、マイクロソフト、モジラ、ファーウェイらが設立メンバー)
Rust言語は、C言語のように低レベルのシステム開発向けに作られたプログラミング言語です。
不正なメモリ領域を指すポインターなどを許容しない安全なメモリ管理や、マルチスレッド実行においてデータ競合を排除した高い並列性を実現している点などの特長を備えているため、安全かつ高速なアプリケーション開発を実現します。
Mozillaの新型高速ブラウザエンジンの「Servo」の開発などに使われていることが知られています。
2020年6月に発表されたStack Overflowの調査では、Rustがソフトウェアデベロッパーが好きなプログラミング言語の1位に選ばれるなど、注目度が高まっています。
参考:Stack Overflowの調査によると、デベロッパーの5割以上が「フルスタック」エンジニアを自認。最も使われている言語はJavaScript、最も愛されている言語はRust
RustはMozillaが中心になってコミュニティベースで開発が進められてきましたが、今年2020年1月にはより高い独立性の実現と幅広い支援の受け皿とするためにRust Foundationの設立に向けて動き出していました。
そうしたなかで、Rustの大きな支援者であったMozillaが8月11日に大規模なリストラを発表します。
参考:Mozillaが大規模リストラ。「すべてが無料だった古いモデルには結論が出た」として今後は新たなビジネスモデルを模索すると
これにより多くの人がRustの将来を不安視するようになりました。今回、「年末までにRust Foundationを設立する」と発表されたのは、こうした周囲からの不安を払しょくするために、予定よりも早めにRust Foundationの設立構想を具体化したものだといえるでしょう。
ちなみに、ちょうど今日からオンラインベント「Rust Conf 2020」が開催されていますが、基調講演ではこの話題について特に触れられていませんでした。
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2021年2月、正式に設立が発表されました。
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