Ruby 3.0.0RC1が登場、型の記述や静的型推論ツールなど新機能。12月25日の正式リリースに向け
Ruby開発チームは、7年ぶりのメジャーバージョンアップとなるRuby 3のリリース候補版「Ruby 3.0.0RC1」を公開しました。
Ruby 3では、型の記述や静的型推論ツール、並列処理などの新たな機能が追加されます。
型の記述では、型情報を記述するための「RBS言語」が用意されるようになりました。このRBSで型情報のコードを記述しておくことで、Rubyのコード中のクラスやモジュールに対して型情報を与えることができるようになります。
静的型推論ツールとしてバンドルされる予定なのがTypeProfです。Rubyのコードをこのツールに入力すると、推論の結果としてRBSで記述された型情報のコードが出力されます。
これによりRubyコード内のバグを発見する助けになるほか、出力されたRBSコードをそのまま、あるいは改変して型情報を与えるためのRBSコードとして用いることなども可能です。
ただしまだTypeProfは実験的な段階であり、現時点で完成度はあまり高くないとのことです。
スレッドセーフな並列処理を実現する制御機構として入るのが「Ractor」です。複数のRactorを作成すると、スレッドセーフな状態で並列に実行されます。
Ractor間のコミュニケーションはメッセージの送受信により可能ですが、Ractor間でのオブジェクトの共有を制限するために、複数Ractorでの実行時には、いくつかのRubyの機能に制限が入ります。
Ractorの仕様と実装は、まだ発展途上であるため、実験的機能として提供される予定です。
このほか、JITコンパイラにも多数の改善が行われたことで性能向上も果たしています。
Rubyは毎年12月25日にバージョンアップ版が登場しています。今年も12月25日にはRuby 3.0正式版が登場するのではないでしょうか。
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