マイクロソフト、RPAツールの「Power Automate」強化へ。RPAベンダのSoftomotiveを買収、統合
マイクロソフトはRPA(Robot Process Automation)ツールベンダの「Softomotive」の買収を発表しました。
マイクロソフトのRPAツールである「Power Automate」との統合により、同社のRPAツールを強化する狙いがあります。
.@Microsoft has acquired @Softomotive, accelerating automation innovation to provide customers with an even faster and more robust robotic process automation service: https://t.co/wAq7Z74gjd pic.twitter.com/3xlLUraHdM
— Microsoft Power Automate (@MSPowerAutomate) May 19, 2020
Softomotiveは、Windowsデスクトップでの作業自動化を行う「WinAutomation」、サーバベースの自動化ソフトウェアとして業務アプリケーションなどの作業自動化を得意とする「ProcessRobot」などを展開するRPAツールベンダです。
マイクロソフトは2019年11月にRPAツール「Power Automate」を発表。RPA市場に参入しました。
参考:[速報]マイクロソフト、RPA機能を搭載した「Power Automate」発表。ユーザーの操作を記録、再現実行で自動化。Ignite 2019
Power Automateは、もともとIFTTT的なサービス連係サービスである「Microsoft Flow」をベースに、マウスやキーボードなどのユーザーインターフェイスによる操作をソフトウェアで自動化する「UI Flows」機能を追加することでRPAツールとし、名前を「Power Automate」にしたものです。
今回、Softomotiveを買収しPower Automateと統合することで、より多くの業務アプリケーションなどとの連係や自動化が可能になります。
RPAを含むローコード/ノーコード開発ツールが活発化してきた
RPAは、それまで人間が行ってきた処理をソフトウェアに置き換える手段の1つであり、広い意味でのシステム開発の一種です。しかもRPAは一般に操作を人間が教えることですぐに実現できたり、フローチャートのように簡単な操作でシステム開発が行えるようになっている製品がほとんどであり、いわゆる「ローコード/ノーコード開発ツール」の分野に含まれます。
そしてこのローコード/ノーコードの分野では、GoogleがAppSheetを開発し、Appleの子会社であるClarisがStamplayを買収し「Claris Connect」に改名して製品をリリースするなど、市場が活発化し始めています。
- Googleはなぜノーコード開発ツールのAppSheetを買収し、1年半前に正式版になったばかりのApp Makerを終了させるのか?
- Appleの子会社Clarisが新サービス「Claris Connect」正式リリース。クラウド上のノーコード開発ツール、サービス連携やワークフローを構築
こうしたローコード/ノーコード開発ツールは、「シチズンデベロッパー」と呼ばれる、職業としてプログラムを書くのではなく、営業やマーケティングや工場などで働く人たちが自分たちの仕事を効率化するためにシステムを開発する人たちによって使われるとされており、今後こうしたシチズンデベロッパーによるシステム開発は急速に広がるとみられています。
いまマイクロソフトは職業プログラマに対する圧倒的なシェアを持っています。その立場をシチズンデベロッパー市場でも維持する上で、Power Automateの強化は欠かせないものとなっているのではないでしょうか。
追記:2021年3月、マイクロソフトはPower Automate DesktopをWindows 10向けに無料で提供することを発表しました。
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