Red Hatが「Quarkus」の商用サポートを開始。JavaコードをコンパイルしてLinuxバイナリを生成、省メモリ高速起動でコンテナ環境に最適
Red Hatは、Kubernetesなどのコンテナ環境に最適化されたJavaアプリケーション開発と実行のためのフレームワーク「Quarkus」の商用サポート開始を発表しました。
#Quarkus, a #Kubernetes-native #Java runtime, now fully supported by @RedHat. https://t.co/EFzJS5wxDW pic.twitter.com/6gwo5Sq15x
— Red Hat Developer (@rhdevelopers) May 28, 2020
Quarkusの最大の特徴は、GraalVMのコンパイラを用いてJavaコードからLinuxのネイティブバイナリを生成する機能を備えていることです。
GraalVMとは、オラクルがオープンソースとしてリリースした多言語対応のVM。
参考:オラクル、JavaやJavaScript、Ruby、Pythonなど多言語対応を単一ランタイムで実現する「GraalVM」をオープンソースで公開。Twitterが本番環境で採用
これにより瞬時に起動し、しかも少メモリかつ高速に実行可能なJavaアプリケーションが実現できます(このほかにもQuarkusにはJavaコードの高速実行のための仕組みを備えています)。
従来のJavaアプリケーションは実行時にJavaVMを用いますが、JavaVMによるメモリ消費や起動時間などのオーバーヘッドは、高速で軽量さを特徴とするコンテナ環境の利点を損なう面がありました。
Quarkusはこうしたクラウドネイティブな環境にJavaを適応させるためのソリューションであり、Red HatはQuarkusのことを「KubernetesネイティブなJavaフレームワーク」とも紹介しています。
Quarkusはこれ以外にも、コードの変更を即座に実行に反映できるライブリロード機能による開発効率の向上、リアクティブなプログラミングモデルへの対応などの機能を備えています。
Quarkusはオープンソースで開発されています。Red Hatが商用サポートの対象とするのはRed Hatビルド版の「Red Hat build of Quarkus」です。
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