Red Hat、Kubernetesの拡張ディストリビューション「OKD 4」正式版リリースを発表
Red Hatは、KubernetesにDevOps関連の機能などを追加拡張したコンテナプラットフォームのディストリビューション「OKD」の最新版「OKD 4」正式版のリリースを発表しました。
OpenShiftのUpstream版「OKD」のバージョン4がGA対応しましたっ!
— OpenShift Japan Community (@openshiftjp) July 15, 2020
Kubernetesとそのエコシステムが簡単にセットアップでき、無償で使えます。#openshiftjp https://t.co/Jaw00YvNa3
OKDは前バージョンまではRed Hatが提供するKubernetesを基盤としたコンテナプラットフォームである「OpenShift」のコミュニティ版と位置付けられる「OpenSHift Origin」と呼ばれていましたが、本バージョン前バージョンであるバージョン3の途中から名称が「OKD」となりました(ただしGitHubやドキュメント上では「Origin」と呼ばれています)。
GitHubでは、OKDとは次のようなものであると説明されています。
OKD adds developer and operations-centric tools on top of Kubernetes to enable rapid application development, easy deployment and scaling, and long-term lifecycle maintenance for small and large teams.
OKDはKubernetes上に開発者と運用者のためのツールを追加し、迅速なアプリケーション開発と簡単なデプロイ、およびスケーリング、そして長期にわたるライフサイクルメンテナンスを、小規模から大規模な組織に対して提供します。
また、OKDはこれまではOpenShift(OCP:OpenShift Container Platform)のコミュニティ版でありOpenShiftのアップストリームという位置づけでしたが、OKD4からはOCPとはアップストリームとダウンストリームの関係から、兄弟関係へと位置づけが変化したとも説明されています。
それにあわせて、次のような違いがあるとのこと。
OCP is an opinionated Kubernetes distribution with a heavy focus on high availability and production workloads. This puts restrictions on cluster configuration - for instance, single master installations are not supported. OKD4, however, allows users to install single master clusters - for development or stage environments. These clusters cannot be upgraded to later versions, though.
OCPは意欲的なKubernetesのディストリビューションであり、高可用性と本番向けワークロードに強くフォーカスしています。これにより、クラスタ構成には一定の制限があり、例えば単一マスター構成はサポートされていません。一方、OKD4は開発者向けやステージング環境向けに単一クラスタ構成をサポートしています。ただし、これらのクラスタは今後のバージョンにはアップグレードできませんが。
具体的にはOKD4は、ノード向けOSにFedora CoreOSを採用。Kubernetes、コンテナランタイムにはcri-o、コンテナエンジンにPodman、運用支援にOperator Framework、Prometheusを利用しています。
あわせて読みたい
IT系上場企業の平均給与を業種別にみてみた 2020年版[前編] ~ ネットベンチャー、ゲーム、メディア系
≪前の記事
Googleが「Open Usage Commons」設立。オープンソースの商標を自由かつ公正に使用するための支援団体