オープンソースのプロジェクトに商標登録の支援などを行い、不適切な利用から守る、「オープンソース商標イニシアチブ」が国内で発足
オープンソースのプロジェクトの多くはボランティアにより運営されていることから、プロジェクト名やソフトウェアの名称について商標登録などが適切に行われているケースは稀です。
しかしプロジェクト名やソフトウェア名を商標として適切に管理しなければ、いつの間にかどこかの企業に同じ名前を商標登録されて、その名前を自由に使えなくなってしまう、といったことが起こりえます。
実際に、国内においては過去に「Scrum」や「Agile」などの名称を商標登録しようとした企業が現れました。また、現在「Python」はPython Software Foundationとは関係のない企業によって国内で商標登録されており、一部で懸念が示されています。
「オープンソース商標イニシアチブ」はこうした状況を鑑みて、一般社団法人オープンソース・グループ・ジャパン傘下のプロジェクトとして発足した、オープンソースにおける商標の適切な登録や管理を支援するための団体です。
Webサイトでも、次のように指摘しています。
「Linux」の商標を登録し、これを独占的にしようとする者が日本を含む世界各地でに現れました。オープンソースコミュニティはこれに適切に対処するために数千万円の経費を費したと言われています。
商標登録の支援、係争への積極的介入など
「オープンソース商標イニシアチブ」は、オープンソースのプロジェクトが商標の登録と適切な管理を行うことを、弁理士および弁護士らの参画の上で支援するとしています。具体的には次のようなことを行う予定とのこと。
- 商標登録の啓蒙と登録のための金銭を含む支援
- コミュニティ向けの標準的な商標利用許諾ガイドラインの作成
- 係争への積極的介入
- コミュニティからの委託または寄贈を受けて、自ら商標を取得、管理、運用
オープンソース商標イニシアチブのメンバーは、佐渡秀治氏と八田真行氏。法務アドバイザーとして弁護士の小倉秀夫氏と弁理士の栗原潔氏も参画しています。
関連記事
あわせて読みたい
[速報]AWS、クラウド基盤にMac mini(Intel)を組み合わせた「Amazon EC2 Mac instances for macOS」発表
≪前の記事
マイクロソフト、Chromiumベースの「Microsoft Edge WebView2」.NET正式対応版リリース。バージョンを固定できる「Fixed Version distribution mode」も