PHPが5年ぶりにメジャーバージョンアップ。JITコンパイラ採用で高速化などを実現した「PHP 8」正式版リリース
Webアプリケーションの開発言語として知られる「PHP」の最新版「PHP 8」が登場しました。
「PHP 7」が登場したのは2015年12月でしたので、5年ぶりのメジャーバージョンアップ。1995年にPHPの起源となる「Personal Home Page Tools」が登場して今年で25年となります。
Look at this! PHP 8 is released. Whoop!
— php.net (@official_php) November 26, 2020
https://t.co/fylb7Gqmjy
Thanks to all the developers who have made this possible!
Photo by @heiglandreas pic.twitter.com/Lli7OmxJhZ
PHPはPHP 5からPHP 7へと約10年ぶりのメジャーバージョンアップを果たし、このときに性能を2倍以上へと大幅に向上させました。
PHP 8はJITコンパイラの搭載により、ここからさらに性能向上を実現させました。
JITコンパイラはプログラムの実行時にコンパイルを行い、ネイティブコードを生成して実行するというもの。事前にコンパイル作業が不要なためプログラムを手軽に実行できるうえ、ネイティブコードによる高速な実行が期待できることが特徴です。
PHPのJITコンパイラは、かつてFacebookから独自のPHP処理系「HipHop Virtual Machne」(後にHHVM)などがリリースされていましたが、PHP本体に実装されるのは初めてです。
ただしベンチマークによるとJITコンパイラによる速度向上は、計算処理の多いアプリケーションでは大きな改善効果が見られましたが、WordPressやWikiのようなWebアプリケーションではあまり実行速度の改善効果はないようです。
言語仕様の面では、変数に複数の型を持たせる「ユニオン型」、引数の名前を使って関数に引数を渡せるため引数の順番が自由になる「Named Arguments」など、いくつかの新機能も追加されました。
一方、比較演算子「==」において、数字と数値型でない文字列を比較する場合の挙動が変更されるなど、一部の互換性が損なわれているため、これまでのコードをPHP 8対応とする際には多少の注意が必要になるとされています。
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