「Oracle Cloud VMware Solution」正式リリース。他社との違いは、オンプレミスと同様にユーザーが管理できること
オラクルは、Oracle Cloud上でVMware環境を提供する新サービス「Oracle Cloud VMware Solution」の正式リリースを発表しました。
Migrating to the #cloud can be complex. We're working with @VMware to make it easier. Larry Ellison and @PGelsinger explain how: https://t.co/t4wukOnGvh pic.twitter.com/1gE11kkgcg
— Oracle (@Oracle) August 6, 2020
Oracle Cloud VMware Solutionは、Oracle Cloudのベアメタルサーバ上で、仮想化ハイパーバイザのvSphere ESXi、ネットワーク仮想化のNSX-T、ストレージ仮想化のvSANによる仮想化基盤が提供されるサービス。
オンプレミスのVMware環境と互換性を持つため、オンプレミス上のシステムをクラウドへ移行することや、ワークロードの負荷をクラウド上へ分散させる、といったことが容易にできるようになります。
最小構成は3ノードで、合計156OCPU(OCPUとは、ハイパースレッディングが有効なXeonプロセッサの1物理コア相当のCPU性能)、2304GBメモリ、153TBのNVMe SSDで構成されます。
提供されるプラットフォームはパブリッククラウドのOracle Cloudだけでなく、顧客のデータセンター内にOracle Cloud環境を構築する「Oracle Dedicated Region Cloud@Customer」も含まれます。
東京リージョンと大阪リージョンを含むすべての商用リージョンで、すでに利用可能になっています。
他クラウドのVMware環境との違いは
パブリッククラウド上のVMware環境としては、すでにAWSが「VMware Cloud on AWS」を、Microsoft Azureが「Azure VMware Solution」を、そしてGoogleは「Google Cloud VMware Engine」を提供しています。
これらとOracle Vloud VMware Solutionが異なる点は、Oracle VMware Solutionが、いわゆる「フルマネージドなサービス」ではない、というところにあります。
一般にフルマネージドサービスでは、クラウド側で自動的にメンテナンスパッチ対応などを行ってくれますが、そのスケジュールなどはクラウド側にって決定されます。また、これに関連して管理ツールなどから可能な操作の一部が制限されていることもあります。
今回オラクルが提供するOracle Cloud VMware Solutionはフルマネージドなサービスではないため、VMware環境に対するパッチ適用などはユーザー自身が行うことになっています。これにより、ユーザーはオンプレミスのVMware環境と同じタイミングを自身で選んでパッチ適用を行えるなど、自社の管理ポリシーをクラウドにも適用可能です。
また、管理ツールであるvCenterから操作可能な範囲にも制限なく、すべての操作がOracle Cloud VMware SolutionのVMware環境に対して実行可能と説明されています。
すなわち、オンプレミスのVMware環境とできるだけ整合性や一貫性を保ちつつ統合的にクラウド上のVMware環境の運用管理を行っていきたいユーザーに、より適合したサービスであるといえるでしょう。
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