セイコーが閉域網で正確な時刻を提供するNTPサービス「セイコークローズドモバイルNTP」発表。±50msec以内の正確な時刻同期を実現
セイコーソリューションズは、企業内ネットワークなどに対してセキュアかつ容易に正確な時刻を提供するNTPサーバの定額提供サービス「セイコークローズドモバイルNTP」を、2021年1月11日から開始すると発表しました。
このサービスでは、NTPアプライアンスサーバおよび、LTE網を通じて同社の時刻配信センターと精密な時刻同期を行うためのLTEアダプター、SIMカード、LTEでの通信費など一式が定額で提供されます。
バッチ処理の開始時刻や、分散処理におけるタイムスタンプの整合性など、ときに企業内ネットワークで正確な時刻を必要とすることがあります。
一般にネットワーク内で正確な時刻を扱うには、まずNTPサーバを立て、それをインターネットで公開されている標準時刻を示すサーバなどに同期させることがよく行われています。
しかしインターネットとの接続点を増やすことはセキュリティ上の課題を増やすことにつながります。
そのためよりセキュアなネットワーク運営を実現しようとする場合、インターネット上のNTPサーバと同期させるのではなく、日本標準時を提供しているテレホンJJYや長波JJYの受信、GPSを受信してその時刻と同期させるなどの選択肢があります。
しかしこれらを実現するには電話回線や屋外へのアンテナの設置、およびNTPサーバとの連携といった手間がかかります。
時刻同期の精度は±50msec以内
セイコーソリューションズが発表した「セイコークローズドモバイルNTP」はこうした課題を解決するものとして提供されます。
サービスを利用する場合、月額制でNTPサーバ用アプライアンス、モバイル通信網に接続するLTEアダプターとそこに挿入するSIM、アプライアンスとLTEアダプターを接続するイーサネットケーブルなどが同社からレンタルされます。
同社の時刻配信センターとNTPサーバはLTEによって接続されます。LTEアダプターは携帯電話の電波が入る場所に置けばいいので、電話回線や長波やGPSの受信用アンテナよりずっと設置が容易で、電源を入れるだけで利用可能。通信費も料金に含まれています。
同社が行った実証実験によると、この方式での時刻同期の精度は±50msec以内。高い精度でNTPサーバの時刻が維持されることになります。
また、NTPサーバーからセイコーソリューションズの時刻配信センターまでの通信もインターネットを経由しない閉域網を経由するため、セキュリティ上の問題もありません。
価格は同社製品の取扱代理店に要問い合わせとのこと。
関連記事
あわせて読みたい
サーバレスの次は「ストレージレス」の実現へ。NetAppがストレージレスを実現する新サービス「Spot Storage」を発表
≪前の記事
Docker Hubの無料プランにおける利用制限、オープンソースのプロジェクトは適用外にするとDocker社が発表